第58話 十六夜
満月の次の日の月が
いつもより近くにあるように見えて
なんとなく手を伸ばした
その妖艶な輝き
それでも月はどこまでも空のもので
人の心なんて知りやしない
ままならない現実に
声にならない声で叫んだ
その声は
なんて遠い
吠えても吠えても
届かない思いは溢れ
それでもやっぱり月は遠くて
あたりを照らすその光を
どうにも信じられないまま
手を伸ばすことをやめられず
なんとか月へ届こうとする
哀れな兎
報われない輝きの下で
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます