第9話「神隠し」
「いったいどこに行っていた?」
あそこはどこだったのか。穏やかな気候に心地好い寝床、澄んだ湖と可憐な草花。優しい声のあの人と、誰にも内緒と小指を絡めた。
「雲隠れして気は済んだか?」
威圧的な言葉に身がすくむ。あの人はいつでも戻っておいでと言っていた。ならば私はここではなく……。
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