第5話「秋灯」
寒いと心がしゅんとする。
暗いとますますしょぼんとする。
だから暖炉に火が入るとほっとする。
小さく爆ぜて崩れる薪。赤々と燃える炎は穏やかで、かざしていた指先がじんわりとあたたまっていく。
秋は日が暮れるのが速いから、灯る明かりが暖かい。
頬に赤みが戻ったら、しょんぼり気分は解消だ。
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