ノベルバー2020

めいやー・しおみつ

第1話「門」

そびえる門はいかにも重たそうで、触れることすらためらう。外敵を防ぐというより、扉を開けられるか実力を量る門。近寄るのが精一杯の私では、とうてい門をくぐれない。うなだれて帰ろうとして、足が止まった。何も試さず、また逃げ帰るのか。勇気を、奮い起こせ。踵を返し、門をにらむ。

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