第9話
ユウコは二十歳になった。ある日、村長に呼ばれた。
村長「ユウコ、実はな、お前にお願いをしたいんだ」
封筒を渡された。書かれてある内容は、大蛇退治だった。
とある村から、大蛇が襲来して大変困っている。一度、兵を出したが倒せなかった。
そこで、周辺の村から有志を募り、大蛇を倒した者に、褒美をやろうと思おう。
村長「まあ、これ以上、兵を失いたくないから、こういう策に出たのだろう。行かなくていい」
村長は大きくため息をついた。
村長「だが、そうは言えないんだ。お前もわかっているだろう。今の状況を」
村長が苦い顔をする」
村長「バファリ王国が戦争を始めた。ここの若い者は皆、徴兵されてしまった」
ユウコ「私は、孤児ですから」
村長「上手く隠せてきたんだけどな。とうとうばれてしまった」
ユウコ「行きます」
ユウコは笑った。村長は泣いた。二人は、教会に息、一緒に祈りを捧げた。
神父「旅立つのですね。ユウコは大人になりました。これを機に、名前を変えましょう」
村長「勇ましい子から、勇ましい者へ。勇者にしようと思います」
神父は頷いた。
神父「では、勇者よ。神のご加護を」
旅立ちの日。勇者はささやかながら、弓と剣を装備した。防具は布の服や革の靴などだった。
村長「生きて帰ってこい」
勇者は、笑顔で頷いた。
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