熱望

美化された世界に感化されて私もと筆を執る。私にだってできるはずと思う。そしてその反響の少なさに頽れる。

 嗚呼、私だってあの、赤黒い戦慄を、飴細工のような鋭利さを!

 震える手を伸ばして打鍵する。されど及ばず、道は開かず。全ては自らの愛と結果の哀に溶けて消えていくのだ。

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