第3話 帯状疱疹のお薬と飲み方
【日記パート】
ここ最近良くないのでお祓いに行ってきました。病気もそうだし、友人との遊びの約束をど忘れして寝過ごしちゃうし、仕事もうまくいかないし、大変です。お祓い帰りに引いたおみくじも「今はダメ・ひどい目にあう・今後良くなる・勉学に励め」ということなのでやっていきましょう。
今日はやることたくさんあるから内容絞っていきますね。
【勉強パート】
帯状疱疹のお薬です。帯状疱疹というよりも、ヘルペスウイルスのお薬の話をします。このお薬で大事なのがいずれも症状発生から72時間以内に飲むことです。ウイルスが増えるのを予防しているだけなので、増えてから飲んでも意味がありません。そしてウイルスが増えると帯状疱疹の痛みは後を引くものになります。急いで飲み始めてもらいましょう。
●アシクロビル
この種類のお薬では一番初期に出たものです。後発のものに比べて吸収しづらいので、一日五回飲まないといけません。通常の帯状疱疹であれば、成人には1回アシクロビルとして800mgを1日5回経口投与するものです。400mgの錠だと一回二錠で一日五回なので一日十錠。数の暴力って感じですね。単純疱疹だと200mgを一日五回で済みます。
面白いのが成人の性器ヘルペスの再発抑制には適応が無くて、小児の性器ヘルペスにだけ適応があるところです。性器ヘルペスの再発予防でお薬をもらうのは現代日本だと高確率で成人なので、この後紹介するバラシクロビルが役に立ちます。
●バラシクロビル
飲むと体内でアシクロビルに変わるすごいやつです。単純疱疹なら一回500mgを一日二回五日間、帯状疱疹なら一回1000mgを一日三回七日間でオッケーです。性器ヘルペスの再発には一回500mgを一日一回を続けてもらいます。この再発予防は一年間も服用期間をとるんですって。びっくり。
注意点としては透析患者にはダメです。精神神経症状・腎機能障害のリスクがあります。
●ファムシクロビル
こいつも飲むと体内でアシクロビルに変わるすごいやつです。単純疱疹なら一回250mgを一日二回五日間、帯状疱疹なら一回500mgを一日三回七日間でオッケーです。再発性の帯状疱疹に対しては一回1000mgを二回飲みます。これは疱疹のウイルスが神経に潜むこと、ファムシクロビルが神経細胞に長く蓄積されることが原因です。この声質のせいで過量に飲むとバラシクロビルよりも精神神経症状が出やすいみたいですよ。
●アメナメリーフ
こいつだけ作用機序が違います。ウイルスが増えないようにするという仕組みは同じなので急いで飲まなくてはいけないのは同じなのですが、ウイルスのDNAに入り込んで増殖を止めるアシクロビルに対して、ウイルスのDNAを紡ぐ酵素を失活させる働きを持っています。これの何が良いか、耐性が発生しにくいところです。
そして何より腎臓の機能に関係なく使える上に、一日一回400mgでオッケーです。とっても便利。
ただし適用は帯状疱疹にしかないし、お高いお薬です。七日間で8500円。アシクロビルは七日間で2800円くらいです。ただ選べるならこっち使いたいですね……。
【おしまい】
今日はこれくらいにしておこうと思います。いくらやっても勉強することは減らないのでほどほどにしないと心が折れるから……。薬、集中して調べると血液内科に入院してた頃を思い出してまじで嫌なんですよね。あの点滴の音が聞こえる。
それではまた次回。
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