第7話 地球

AM2:00。窓を叩くような雨が降り出した。そろそろ寝ようかとお気に入りの入眠音楽をかける準備をする。スマホにイヤホンを付けているとカーテン越しに花火のような激しい光がさして一瞬で鏡に反射した。閃光。凄い光だ。つんざくような雷鳴が窓を揺する。なんだかだんだん怖くなってきて、テレビのスイッチを切り、灯を落とした。



暗闇の中で雷鳴と稲妻が次々に襲ってくる。家の中でこんな気持ちになるのは小さな子供の時以来だ。エアコンはつけている。コンセントを伝わって雷が家の中に入ってきたらとか避雷針があるから大丈夫とか不安な気持ちが駆け巡る。様々な妄想が浮かんでは消え浮かんでは消え、意識は最終的に宇宙まで広がった。



木星は地球の直径の11倍、体積では1300倍くらいあるらしい。太陽系の木星以外を全部合わせても木星は2.5倍。とてつもなく大きい。表面には台風のように渦を巻いたところがあり、大赤斑と呼ばれていてその大きさは地球2個分。300年もの間ずっと嵐が吹き荒れていて、これからも止むことはないだろうと言われている。300年以上続く台風。鳴り止まない暴風雷。地球の最大竜巻の2倍くらいの風速。凄い脅威だ。



最近の地球温暖化や夏場の年々上がっていく40度近くの猛暑。人類の生活が温暖化にするのではとも言われているが、どうもそれだけでは無いような気がする。人類にとっての異常気象。猛暑や川の氾濫、地震の多さ。木星ほどの激しさは無いにしろ、こう言ったものを見せつけられると、地球もやはり惑星なんだなぁなどと真っ暗闇の中考えていた。異常気象。地球にとっては異常では無く全くもって普通の事なのかもしれない。そんな事を考えていたら窓の外は明るくなり蝉が鳴き出した。お早う、惑星地球!今日は程よい雨を降らせたのね。

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