第14話 ウンディーネ

お~、本当だ。

聖魔法で認識疎外が施されている。おまけに薄いが結界まであるな。誰がこんなことしたんだ。


「レイアーズ様こちらへ、ボクが以前に開けた穴がこちらにあります。この穴から真っすぐに進めば泉はすぐそこです。」

「わたーしと護衛騎士のペタン、そしてS級冒険者のユーリ以外の者はここから先はいいわ。しばらく待機しておきなさい。」


さ~て、どんな泉かな、微かだが精霊の気配も感じられる。


「姫様、私の後ろに下がって!」

「ボクが以前に来たときは綺麗だったのに。」

「これは酷いわね。」


泉の周りには毒々しい色をした毒ガエルが無数に湧いている。泉の水も中央部分以外は禍々しい紫色になっている。


ゲコゲコ。

ゲコ。


「ボクが認識疎外と結界に穴を開けた為に、聖なる泉が汚されたのか!許せん、カエルどもは殲滅してくれる。」

「ユーリ、頼んだわよ。」


聖光ホーリーレイ!」

聖光ホーリーレイ!」

聖光ホーリーレイ!」


さすがS級冒険者だな、これなら毒カエルの殲滅もすぐだ。しかし、教会もこんな優秀な聖騎士をどうして手放したのか分からんな。以前ユーリに教会から逃げ出した理由を聞いた時にははぐらかされたが・・・・・性癖か?


ゲコッ、ビュッ。


「姫様、危ない!精霊魔法、水壁ウォーターウォール!」


汚ったないな、おい。

この高貴なぼーくに向かって毒を飛ばしてくるとは万死に値する。

「くらいなさい。聖魔法、範囲解毒エリアキュア!」


なーっはっは、見たかぼーくの聖魔法。毎日の庭園への水やりと害虫退治の成果だな。魔力操作スキルと魔力が向上して威力が段違いだ。一瞬で泉の水を解毒しまった。ぼーくの才能が怖いな。


「姫様、凄いです。」

くれないの聖女様。」


そうだろう、もっと褒めたまえ。ぼーくは褒められると伸びる子なんだよ。でも、ユーリの聖剣技とペタンの精霊魔法も美しくて綺麗だな。やっぱり魔法だな、服が汚れないのが一番いい。


ザッパーン。


「「「キャー。」」」


なんだあれは・・、泉の中から何か飛び出て来たぞ。

水の精霊ウンディーネ?


水色の髪に緑の眼、白い羽衣。間違いない、ウンディーネだ。さすが精霊、人外に美しいな。その羽衣にグルグルと巨大なヘビが巻き付いて、ボディーラインがくっきり出ている。なんかエロいな。


「タ・ス・ケ・テ。」


「姫様、魔獣ポイズンアナコンダです。あいつがこの泉と精霊様を毒で苦しめていたんです。」

「ボクにお任せを。聖翔フライ!精霊様から離れろこの毒ヘビが~~~~。」


バシン。

「クッ、硬い。」


ユーリの背中から天使の羽みたいなやつが生えてきて、空を飛んだよ。何あれ、カッコいい、ぼーくにもできないかなあれ。硬くて切るのは無理だったけど、ウンディーネから離れた。怒ってこっちに向かってくるんだけど・・・。


ビュツ。

バシン、ド~ン。

ペタンの水壁を突き破って、ペタンがヘビの尾で吹っ飛ばされた。


「おのれ~、よくもわたーしの大事なペタンちゃんを。討伐してやる、主にユーリが。ユーリこれを受け取りなさい。聖魔法、聖剣付与エンチャント!」


「ボクの剣が聖剣に、これでいける。聖十字グランドクロス!」


やったか?

やったな、ヘビのサイコロ切りだな。ユーリのぼーくへの尊敬の眼差しが心地いい。


3人無事、泉は元に戻ってキラキラ輝いている。ウンディーネが仲間にしてほしそうな目でこちらを見ているな。精霊に性別はないけど、美しいから契約してヤル。


「ありがとうございマ~ス。大精霊の加護を持ちし者~ヨ。お礼に私と契約してくだサ~イ。私は水の精霊ウンディーネデ~ス。」

「いいわよ、我水の精霊ウンディーネとの契約を結び、ディーの名を与えん。」


なんか外国人留学生みたいなしゃべり方だったな。精霊だとばれると面倒なので、外国の遠縁の女の子ということにしておこう。17歳ぐらいだな、知らんけど。


「泳ぐわよ!」

「姫様、泳ぐんですか?」

「そうよ、この泉で泳ぎたいからここまで来たんじゃない。さあ脱いで。」

「ディーも全裸で泳ぎマ~ス。」

「ボクはみなさんの百合百合ゆりゆりしい全裸を描きたいんで、見学します。」


聖なる泉でぼーくとペタンとデイーの3人でキャッキャしながら泳ぐ。聖なる輝きに溢れる泉で全裸で戯れる様子をユーリが絵に描くんだ。残したい、その神聖さを。


あははっ。

ウフフ。

えへへ。


「わがままボディーのレイアーズ様、スレンダーでキュートなペタンララ、女神のように神々しい精霊様が百合ってます。尊い、尊すぎます。」


   ♦


「レイアーズ様、聖なる泉の絵画が完成しました。ご覧ください。」

「「「お~っ。」」」


ユーリうまいな。

本物の画家よりうまいんじゃね。写実的ってやつだな、ぼーくが中央で右にペタンで左にユーリとディーか。大事な部分はうまいこと手や水しぶきで隠れているな。聖騎士が描いた絵だから、ちょっぴり聖魔法がかかった状態になってるので汚れたり、劣化したりする心配もないな。


「セ~バ~ス、この絵画を玄関ホールの一番目立つ場所に飾りなさい。」

「これは美しい姫様の絵ですな。題名はどうしましょう。」

「ユーリ、この絵の題名は?」


「紅の聖女様とです。」


「よし決まりね、わたーしとペタンとユーリそしてディー、その4人のパーティー名はにするわよ。」

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