(一)-3

 俺の翔太? さっきの男の子と翔太君って、なにか関係あるのかな。まさかさっきの子と翔太君が付き合っているなんてわけないだろうし。

 ここは大学と大学病院の敷地内だ。近くには附属の看護学校の女子寮もある。だから敷地内では警備員の巡回がある。下手な町中よりも治安はいい。何かあったとき、悲鳴を上げれば、誰か来てくれる。

 でも一応他に怪しい人がいないか、暗くなった周囲を見回してみた。病院も学校も今日は終わり、駐車場までの道に人はいなかった。

 私は突然のことに少しドキドキしながらも、駐車場へ急いだ。


(続く)

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