恋人の恋人
筑紫榛名@次回1/19文学フリマ京都9
(一)
「アンタが翔太の彼女か」
私は職場を出て駐車場へ行くまでの途中の道で、若い男性にそう声をかけられた。
男性は背が高く研修用のジャージを着ていた。附属の専門学校のマークが入ったジャージだった。髪は坊主頭で眉毛も剃っているようで細くいかつい印象だった。
男の子は私の方をジロジロ見てきた。仕事では事務用の制服を着るが、今は私服だ。職場と家との往復しかしない。しかも通勤は車。だから通勤用の服は、Tシャツにジーパンというラフな格好だった。
その格好を、この男の子はジロジロと、つま先から頭まで撫でるように見てきた。一体なんなのよ、この子は。失礼ね。
「アンタが翔太の彼女か、って聞いているんだ」
(続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます