第3話

 椅子に座るとテーブルと一緒にフワリと浮き上がる。

 ああ~、某遊園地のアトラクションみたい!!


『ようこそ! コンタクトルームへ! 此処ではソウルメイトの登録を行います! では、始めにテーブルの上、赤い円の上に登録するソウルメイトを置いて下さい』


 とアナウンスが流れ、私は支持通りに赤い円の上にホムラライオンを置くと赤い円が光り輝くと。


『ホムラライオン起動開始します』


 閉じていた目が開かれ、ガシャンと四足の足でホムラライオンが立ち上がった。


「おお~」


 画面の中で見ていたものが、今、目の前で見れるという事実に感嘆の声を上げる。


 本当にアタシはソウルメイトの世界に転生したんだ。


『それでは、ソウルメイトに声をかけソウルメイトと視線を合わせ、コンタクトを取って下さい』


 感激していたら次の作業を促された。

 アナウンス通りに。


「ホムラライオン!」


 ホムラライオンに声をかけると辺りを不思議そうに見渡してたホムラライオンがアタシの方を向き、小首をかしげる。

 その子猫を彷彿とさせる行動に悶えた。

 ライオンモチーフなのに子猫みたいな事を!! いや、ライオンも猫科だわ。興奮して当たり前の事を忘れるなんて・・・・・・。

 気を取り直して、ホムラライオンと目を合わす。

 ホムラライオンもアタシの目線に合わすように目を見つめてくる。

 暫くして、ホムラライオンの方からピコン♪ という音が鳴ると。


『顔認識完了、これにてコンタクトは終了です。これよりソウルメイトの登録を行います』


 コンタクト終了のアナウンスが流れ、アタシの目の前にスマートフォンのような機械が急に現われて、驚いて少し後ずさった。

 せめて、アナウンスをしてくれ!!


『今、目の前にあるのはソウルメイトとコミュニケーションを取るために通信機器、ソウルフォンです。既に登録したソウルメイトの情報を入力済みです。それに貴方の情報を入力してください』


 ソウルフォン。

 アナウンスの説明通り、ソウルメイトとコミュニケーションを取るための通信機器であると同時にソウルバトラーの証でもある。

 ロボットであるソウルメイトとコミュニケーション!? と思った画面の前の君~!! なんとソウルメイトには超最先端のAIが組み込まれているのだ!!

 ソウルバトラーとのコミュニケーションに応じソウルバトラーと相性の良い性格に育っていくんだとか、あと、親好を深めることでソウルメイトは会話出来るようになり円滑なコミュニケーションも取れるようになる。


 さて、アタシが長々と説明している間にソウルフォンへアタシの情報を入力。


『ソウルフォンへの情報入力確認。これにてソウルメイトの登録は終了します。お手元にあるソウルフォンは貴方のものです、忘れずにお持ち帰り下さい。なお、ソウルメイトを収納するメイトホルダーは受付でお渡ししますので受付に必ず寄るようにしてください。

 それでは! 良いソウルライフを♪』


 今まで浮かんでいたテーブルと椅子が元の位置に戻ると自動ドアが開いた。

 正に近未来! という雰囲気が終わって少し寂しいかな。さてと、受付に行ってホルダーを貰って、待ってるヒバナを迎えに行こう。


 コンタクトルームから出たら何か騒がしい。

 女の子の声援? 受付に行けば解るかな? と興奮ですっかり忘れていたアタシは暢気に受付に向かった。






「止まれ!!」

「侵入者!! 止まりなさい!!」


 データを盗もうとした少年は警報で呼ばれた警備員に追いかけられていた。

 舌打ちをしながら少年は逃げる。


――くそ!! あと少しだったのに!!


 必死に逃げる少年は曲がり角で誰かに急に腕を引っ張られた。


「侵入者は何処へ行った!?」

「どうしたんだね、騒がしい」

「江良博士!」


 曲がり角で消えた少年を探す警備員の前に現われたのはロボセンターの最高責任者である江良イゾウ博士。

 いきなりの責任者の登場に警備員は敬礼をする。


「私達は侵入者を追っていまして・・・・・・」

「侵入者? ふむ、怪しい人物は見ていないな~。君は見たかね?」


 江良博士が振り向いて、背後に居る人物に声をかける。


「いいえ、見ていません」


 背後から現われたのは江良博士の甥であり、ソウルメイト界では光速の貴公子と呼ばれるソウルバトラー・雪野マフユ。

 空を思わせる青髪に深い蒼い目、非常に整った顔立ちの少年だ。今年で中学生になる。

 最高責任者とその甥という事で警備兵は警戒を解きながらも、まだ侵入者が居るかもしれないと告げると去って行った。

 去って行く警備員を見送ると江良博士はやれやれといった表情をすると。


「マフユ、どうして侵入したんだい?」


 マフユに話しかけた。

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