第21話 ドライヤー
返品の電話が鳴りやまず、担当の俺 荒木信二は、徐にため息をはく。
この商品に費やした1年という歳月が否定されたような気がした。
コストと性能の差で幾度か挫折したが、
試行錯誤の末、商品化にこぎ着けた。
AI搭載のドライヤー。
毛根の痛みや生え具合まで正確に判断する。
それが、カチンとくるらしい。
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