第8話

メアリー王女が去った後、僕は一人ベットに寝そべり黄昏る。

(なんというか凄かったな……)

メアリー王女とのやりとりを思い出す。

そして、ある事を考える。

(もしかしたら、僕が思っていた以上にみんな僕の事を好いてくれているのか?)

この世界に来てからというもの、周りの女の子たちにモテまくっている。

正直、嬉しい気持ちと怖いという思いが入り混じっている。

(もう少し自分の身を大切にしよう……)

僕は心に誓った。

メアリー王女と過ごした翌日、僕とアッティラは王都を散策していた。

アッティラに王都を案内しようと二人で出かけたのだ。

今は広場にて休憩をしている。


「なかなか賑やかな街だな。」


「気に入ってくれた?」


「ああ、気に入ったぞ。」


「良かった……」


「ところで、これからどうするんだ?」


「せっかくだから観光をしてみようと思って。」


「そうか。じゃあ、お願いするよ。」


それからアッティラに色々な場所に連れて行ってもらった。

お土産屋さん、武器屋、防具屋など色々見て回った。

そして、最後にやってきたのは男性向けの服屋だった。


「ここって……」


「お前の服を買いに来たんだよ。」


「わざわざ、ありがとう……」


「気にすんな。俺が見たいだけだからな!」


「うん……」


僕はアッティラに連れられ店に入る。

「いらっしゃいませ!あら~これは可愛らしいお客様ですね!」


「こいつに似合うのを頼むぜ!」


「かしこまりました!」


店員のお姉さんのテンションが高い。

そしてテキパキと動き始めた。


「お客様はこちらへどうぞ!」


僕は試着室のような個室に通される。


「それではごゆっくり!」


「はあ……」


あまりの勢いにため息をつく。

僕は渡された服を見てみると、肌の露出が多い。

おへその辺りが丸見えだ。

あべこべなこの世界では煽情的な服だった。


「これって……」


「どうかしたのか?」


「いや、なんでもない……」


「そうか。じゃあさっさと着替えるぞ。」


アッティラが入ってくる。


「ちょっと待って!」


「なんだ?」


「外で待っていてくれないかな?」


「別にいいじゃないか。」


「駄目だよ……」


僕は必死に試着室に入ろうとするアッティラを説得しなんとか着替え終わり、カーテンを開ける。


「どうでしょうか?」


「おお、中々良いじゃないか!」


アッティラは僕のお腹を凝視しながら答える。


「ありがとうございます……」


僕は服を着たまま外に出てみる。


「やっぱり恥ずかしい……」


「大丈夫だって。誰も気にしないさ。」


そういいながら僕のお腹を撫でてくるアッティラ。


「くすぐったいよ……。」


「気にするなって、ほら行くぞ。」


お腹を触るのに満足したアッティラに手を引っ張られる。

結局、僕たちはそのまま買い物を続けた。

そして、日が暮れてきた頃、僕たちは僕の自室へと帰ってきた。

ベットに二人で腰かけて談笑する。


「今日は楽しかったな!」


「そうだね」


「また、行こうな!」


「わかったよ」


観光がよほど楽しかったのかテンションの高いアッティラ。

そのままの勢いで僕のお腹に顔をうずめてくる。


「ちょっ……やめてよ!」


「良いじゃねえかよー」


「もう……」


アッティラを引き剥がそうとするも力が強すぎて離れない。

それどころか深呼吸して匂いまで嗅いできている。


「匂い嗅がないで……」


「トニーは良い匂いがするな!」


「ええ……」


「安心するな…」


「そうですか……」


「ああ、このままずっとこうしていたいな……」


「それは困ります……」


「仕方ないな……ふぅ、堪能した。」


そう言ってようやく僕から離れる。


「はぁ……やっと離れたよ……」


僕は安堵のため息をつく。

すると突然、部屋の扉が開く音が聞こえた。


「誰だ!?」


アッティラが声を上げる。


「私よ。」


ルシアの声が聞こえる。


「ルシアか、驚かせるなよ。」


ホッとした表情を見せるアッティラ。


「ごめんなさい。ノックをしたんだけど返事がなかったから勝手に入らせてもらったわ。」


「おう、構わんぞ。それより何か用なのか?」


「いえ、特別な用はないわ。いつものようにトニーと一緒に寝ようと思っただけよ」


そう言いながらルシアもベッドに座ってくる。

そして、当然のように僕の腕を抱きかかえる。

柔らかい感触を感じる。

彼女は胸が小さい為、結構密着してくる。

その為、僕の腕には彼女の小さな胸と共にお腹なども当たっているのだ。

(意識しないようにしないと……)

僕は平常心を保つために他の事を考えるようにした。

しかし、負けじとアッティラももう片方の手に抱きついてくる。

こちらも胸はないが、やはりお腹が当たる。

二人分の柔らかさが僕を襲う。

そして、二人はお互いの事を睨み合っている。

そんな様子を僕は苦笑いを浮かべることしか出来なかった。

二人はこのままでは埒があかないと思ったのか、そのまま僕をベットに押し倒してくる。


「こうなったら三人で一緒に寝よう!」


アッティラが提案する。


「そうね!それが一番良いわ!」


それに賛同するルシア。


「えっ……」


僕は嫌な予感を覚える。


「じゃあ、早速!」


そう言うと、アッティラは僕の服を脱がせにかかる。


「ちょっと待って!」


僕は抵抗するもアッティラの力が強く脱がされてしまう。


「さあ、次は私たちの番よ。」


ルシアとアッティラも服を脱いでいく。


「なんでこんな事に……」


僕は諦めてされるがままになる。

二人の美少女が裸になって迫ってくる。

僕はそれを直視できず目を瞑る。


「おい、目を閉じるなよ。」


アッティラに頬をペチペチ叩かれる。


「だって恥ずかしいんだもん……」


「大丈夫だ。俺も恥ずかしい。」


そう言いながらもアッティラがニヤリとする。


「トニー、可愛いぞ。」


そう言って僕の頭を撫でてくる。

僕はアッティラにされるままに撫でられる。


「じゃあそろそろいいかしら?」


ルシアが僕の背中にくっついてきて囁く。


「うん……」


僕は緊張しながら答える。


「俺は前から失礼するぞ。」


今度はアッティラが前から抱きしめてくる。

二つの柔らかいものが僕を包み込む。


「ちょっと、前って……!」


「なんだ?文句でもあるのか?」


「いや、別に……」


「ならいいじゃないか。」


アッティラは強引に僕の体をまさぐってくる。

そして、ルシアも負けじと後ろから手を回してお腹をさすってくる。

二人の手は僕のお腹の上を行ったり来たりしている。

そして、その度に僕の体はビクビク反応してしまう。


「んあっ!」


思わず声が出てしまう。


「どうしたの、トニー?」


ルシアが聞いてくる。


「なんでもない……」


「嘘ね。」


ルシアが耳元でささやく。


「だって……体が勝手に……」


「ふふっ、じゃあもっとしてあげるわ……」


そう言って僕の耳に舌を入れてくる。


「やめて……」


僕は懇願するが聞き入れてもらえずそのまま舐められ続ける。

ゾワっとした感覚に襲われる。

さらに、同時にお腹も触られる。

くすぐったさと気持ち良さが混ざったような不思議な感じがする。

僕は耐えられずに身をよじるが二人がかりなので逃れられない。

しばらくすると満足したのかやっと解放された。

そうして3人で抱き合いながら眠ったのだった。

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