第10話ダンジョン攻略
ーー ダンジョン攻略1
僕は教会皇教の許可状を見せながら教会幹部に対し次の命令を下した。
「5日後森のダンジョン攻略に向かう。教会関係者は全員同行し途中の村や街の怪我人を助ける任務に就くこと、特に被害が大きいと思われる森の近くまた森のダンジョン攻略には高位の司祭が等が同行すること。これに従わぬものはこの国より追放する。」
と言うもので、教会は上や下やの大騒ぎになった。
馬車20台に司祭や神父を詰め込み森へと向かい、途中途中の村や町に下の者から下ろすと無料の治療を命じた。
20日後最後の一台と共に森についた僕たちは、森の手前で野営を始めた。すると馬車の司祭達が
「体調が悪く」「持病の腰痛が」
などとここに来て逃れようとする態度に僕が
「僕の前で病人のふりをするなど女神に弓引く行為。僕の目の前で何処が悪いか言いなさい、もしも嘘や大袈裟な者はダンジョンの中まで連れてゆきます。生きて帰れればいいが、さあ誰から」
と言うと誰もが何も言わなくなった。
僕は司祭等を見ながら
「ここで魔物とは何なのか。教会はどうすればいいのか私が戻るまでここで考えなさい、逃げ出し者は追放します。」
と言いながら騎士に向かって
「彼らの見張りを言いつけます、逃げるものはしばって構いません。」
と言い置くと
「かしこまりました必ず御命令を守ります。」
と騎士隊長が返事をしてくれた。
僕は聖騎士のエストレーナを連れて森の中に歩いて向かった。頭の中のMAPにはダンジョンの位置がはっきりと記載されていた。1番近いダンジョンに向かうと2時間ほどで入り口にたどり着いた。
入り口の前に座ると僕はエストレーナと食事を始めた
「可能なら一気に踏破するつもりです」
と言うと
「もちろん私もついてゆきます」
と答えるとエストレーナに笑顔で頷くとダンジョンの中に入っていった。
鑑定(極)で確認するとここは50階層のダンジョンだとわかった。
スタンピードが発生したためか魔物自体の姿もほとんどなく、散歩のような感じで10層まで一気に抜けると、階層主の部屋の前に出た。
中に入るとそこにはゴブリンロードが1体とゴブリンアーチャー2体さらにゴブリンナイト2体の階層主だった。
僕は得意の雷撃を5体に向け落とすと、アーチャー2体が倒れそれ以外はかなりのダメージを負った状態になった。するとエストレーナが走り出す、動きの鈍くなったゴブリン共にはその剣を交わすことなどできない話。一呼吸で打ち果たし戻るエストレーナ、奥の扉が開き宝箱と下への階段が現れた。
さらに階層を進み20階層目に2度目の階層主の部屋、中に入るとバジリスクが5体。
バジリスクは石化の魔眼を持つ魔物だが僕には耐性があるため問題なく首を切り落とし討伐完了。その日は階層主の部屋で休むことにした。
「今日はここで休むよ、ご飯を食べてよく寝ようか」
と言いつつ僕は空間魔法から食事や寝具を出して準備をする。エストレーナが見張りをすると言うのを結界を張り辞めさせ二人で就寝した。
目覚めると朝食を摂り下に向かう。ここから途中の魔物もそこそこ強くなるが、僕の前に立ち続けるようなものはまだいない。
30階層で階層主の部屋に入るとミノタウルスが5体待ち受けていた。エストレーナはかなり苦戦していたがなんとか一体を倒した。その間に僕が4体を倒し奥の扉が開く、食事をして休憩しているとエストレーナがレベル酔いを見せ苦しそうにし始めた。
「少し休憩しよう」
と呼びかけエストレーナの体調が戻るのを待っていると、
「大変申し訳ございません、レベル酔いなどここしばらくしたことがなかったので」
とエストレーナが詫びた。
31階層から40階層まではエストレーナのレベル上げを中心に魔物を倒しながら進む。
6時間ほどで40階層のボス部屋にたどり着いたところで休憩をとった。
エストレーナはレベル上げの影響で興奮状態にあったがここでクールダウンを試みたのだ。
食事をし仮眠をとるとエストレーナの状態も良くなったので改めてボスに挑んだ。ここはキメラが5体待ち受けていた。
キメラは魔物をかき集めたような姿の魔物で、色々な攻撃手段を持つ厄介な魔物の一つである。僕の重力魔法で動きを抑え結界で囲んで空気を抜けばあっけないほど簡単に窒息死した。
驚くエストレーナを横目に奥の扉を開けて階下に向かう。これからは最後の10階層だこの雰囲気では最後のボスまたはガーディアンは竜種の可能性があると言いながら進む僕にエストレーナが
「竜種に対し2人で大丈夫でしょうか?」
と不安を口にしたが僕は
「既にエストレーナ自体がある程度の竜種なら単独討伐可能なレベルに達しているよ。」
と言うと
「それは真ですか」
と興奮していた。
ーー 最後の魔物
流石に41〜50階層までの魔物は強く進むスピードが遅くなっていたが、それでも確実に階下に進んでいた。45階層を過ぎたあたりで僕はエストレーナにこう言った。
「流石にうざくなったのでこれからは時限魔法と次元魔法を使って、魔物を倒すので前に出ないでくれよ」
と言いつつ魔法を発動した。
時限魔法は時間を操る魔法で次元魔法は空間を操る魔法だ。
相手の動きを制し防御不可能な攻撃を相手に与えるのである、無人の野を歩くように僕が魔物を倒しながら進む姿にエストレーナが
「立ち塞がってはならない者とは、使徒様のことを言うのだな。」
と呟いていた。
3時間もすると最終ボス部屋このダンジョンのガーディアンと言える魔物の部屋にたどり着いた、相手は予想通り竜種3体、土竜、風流、火竜だ。
僕はエストレーナに
「君はどれにする」
と尋ねると
「私は風竜を」
と答えたので僕は先ず火竜に重力魔法を飛ばし地面に縫い付けた。そして土竜に歩いて向かうと次元魔法はで切り裂いた後続けて火竜も切り裂いた。その後はエストレーナの戦いを観戦することにした。
ーー エストレーナ side
とうとうダンジョンの最深部ボス部屋にて竜種と対峙した。私は相手を風竜に決め速度で対応をすることにした、これまでのレベルアップで私の速度は異常なほど上がっていたからだ。
直ぐ脇で使徒様が2体の竜種をいとも簡単に倒された。私も負けられない足手まといでは傍に立てないのだ。
風魔法で攻撃する風竜に速度を活かし、交わしながら接近しその翼に一振りの剣撃を飛ばせば予想以上の結果が!翼を切り取られた風竜が落下地面に蠢いている。
再度竜に近づきその首に剣を振り下ろすと「スパン」と言う音と共に首が落ちた!
「これでエストレーナも単独のドラゴンスレーヤーだね。」
と言う使徒様の声で我に帰り、そのあと襲いくるレベル酔いに身悶えした。
ーー ダンジョン攻略報告と次のダンジョンに
ダンジョンコアを収納した僕は転移で外に戻った。外で野営をしていた従者達は突然僕らが現れたことに驚きを見せていたが僕が
「攻略して来ました」
と言いながらダンジョンコアを見せると皆喜んでくれた。食事などの休憩を取ると僕は言った。
「この森で1番深いダンジョンがここだったので後は簡単だ。王都に報告に向かうと共に開拓村を再開するための人員を派遣するよう国王に伝えなさい、攻略の証にこれを持って。」
と言いながら3頭の竜種の首を取り出し魔法袋に詰め替えると積み込み馬車に積み込み司祭らを護衛をつけて王都に戻らせた。
これは、これからエストレーナと別々にダンジョンを攻略するための嘘でもあったのだが。
司祭らはかなり疲労したようで真っ青な顔をしていたが王都にと言う僕の言葉に正気を取り戻し竜種の頭を見て再度青くなるなど忙しい態度を見せていたが
「いつでも僕は見ているよ」
と言う言葉で半分が失神したのがおかしかった。
僕は従者に
「ダンジョンを攻略してここで開拓村の準備をしておくので、一旦王都に帰り人員と食料や必要なものを揃えて戻って来てくれと伝えた。初めは一緒にいますよと頑なだった従者も最後には折れ
「可能な限り早く戻ります」
と言いながらすごい速度で王都に向買うのを見送った。
ーー 二人で一つずつ
エストレーナに向かって僕は
「ダンジョンを一つ任せるよ君なら問題ないだろう、良いね」
と言うとエストレーナは
「何なりと仰せつけください」
と返事をしたので30階層のダンジョンで送り出し僕はもう一つの階層100階層のダンジョンに入っていった。
ダンジョンの強さ難攻不落さは、階層の数と魔物の種類で決まる。僕の入ったダンジョンは死者のダンジョンだ。よって最後の相手は不死王リッチあたりということになるそれまで走りながら光魔法を身に帯びて走り抜けるように攻略し始める。だってエストレーナより先に攻略したいじゃないか。
光に輝く僕の姿は弱い闇属性の魔物では姿を見ることさえ叶わぬ。あっという間に50階層のまで進むと小休憩を挟みさらに進んで行く、途中でリッチが出てきた。
「するとノーライフキングが相手か」
と呟きながら進むと80階層でノーライフキングに対峙した
「これも違うと言うことはドラゴンゾンビか」
と思いながら最後の扉を開けるとそこにはその3種のアンデット王が勢揃いしていた。
アンデットには光属性で消滅させるか闇属性で服従させるのが手段だが、ここで僕は闇属性を使うことにした。しばらく三体とやり合いながら闇属性のレベル上げを行なっていたが、神級まで上がったところで威圧を込めて服従を命じると三体とも子犬のように従った。そのあと召喚獣として三体を消すとダンジョンコアを取り出しダンジョン踏破成功である転移で外に戻るとエストレーナを送り込んだダンジョンの入り口に向かう。すると丁度エストレーナが出てきたとこであった、
「このダンジョンはどうだった」
と尋ねる僕に
「私の嫌いな虫系のダンジョンでしたので最速で攻略しました。」
と答えるエストレーナが少しすっきりした顔をしていたのはどう言う意味?
ーー 開拓村の準備
ダンジョンを攻略した僕らは王都から人材などを待つ間に開拓村の準備をすることにした。
僕の土魔法の力で森を大きく削り取る形で高く分厚い城壁を建て始めたのだ。地中を移動する魔物もいることから深さ10mほどの地中に固い岩盤の層を作りその上に城壁を建て外側の深めの堀を掘っていった。城壁の長さは結局15kmになり開拓村というより街と言えそうだった。
生活するためには水と食料は絶対に必要なことから、深井戸を何本も掘り森の中を流れる川から外堀用の水を引いてきた。さらに森と反対側に耕作地を作るための土地を確保し、森側は高く反対側は低い塀を作って食害や魔物の害を防ぐようにした。
城壁内の森の木々は伐採し根から掘り起こすと、薪や建材に製材していった。
ついでに岩は砕き不要な土は耕作地にすき込み外堀の水を引くと、十分立派な農耕地に生まれ変わった。
王都からの人材が車で仮の住居がいるかと思い。碁盤の目に道路を作ると4つほど出入り用の門と跳ね橋を作り、王都側に広く平らな道を1kmほど作っておいた。
さらにしばらく仮設住宅が必要だろうと、長屋敷の住居を5棟ほど建てておいた時に王都から人が来たのがちょうどよかった。
「これはどうしたのでしょうか?」
王都からの文官が立派な道を馬車で進みながら長大な城壁を見て、さらに堀を越えて中の入ると、街の区分けができており長屋と言え立派な家が5つも並んでいたことから驚いて訪ねてきたのだ、
「時間があったか僕ができる範囲で作業をしていただけだよ。あとはお願いするよ。」
と言い残すと馬車で戻ってきた従者に合流し王都に向かったのだった。
ーー グリンランド王国
開拓村(仮)から戻ってきた僕に直ぐに王城から使者がやってきた、
「ダンジョン攻略の報告と開拓村について話がしたい。」
と言う内容だったので、城に上がり国王に謁見すると王が
「その方が3つのダンジョンを攻略し、さらに長大な城壁を持つ開拓村を準備したと言う話は真なのか?」
と挨拶もそこそこに尋ねてきたので、ダンジョンコアをを3つ並べ。
「はい、この通りダンジョンを攻略してまいりました。開拓村については待つている間に少しでもお手伝いが出来ればと、作ったもので邪魔ならば更地にもどしましが?」
と答えると
「待て、誰も邪魔などと言ってはおらん・・・いや、此度のこと大変有難い今までの無礼な態度改めて謝罪を致す、許してくれ使徒様。」
と頭を下げるので
「頭を上げてください。私は教会の者があまり働いていなかったのでそのお詫びに尽力したまで。今後は教会の者をビシビシ使って開拓村を成功させてください。」
と言うと国王は
「報告が真であればいや真実であろう。今回の開拓村は成功間違いなしと報告されている誠にありがとう。」
とお礼を言ってくれた。
国王との拝謁が終わり城を出ると僕は従者に次の国へ旅立つための準備を言いつけた。
ーー グリンランド王国国王 side
わしはグリンランド国王であるこたび教会関係者から「使徒様」と認定された方がこの国に訪れると連絡があった。わしはこの国の教会関係者の金萬ぶりに嫌気が差していたので
「適当に相手をしておけ」
と宰相に申し渡していたが何を考えていたか宰相がその者との謁見を準備していたため、嫌々ながら会うことになった。相手は子供そう歳はも行かない子供であったそれで
「その方が教会の言う「使徒様」か、この国の為に何かしてくれると言うなら協力を惜しまぬが何ができるのだ。」
と尋ねると
・森の中に存在する3つのダンジョンの攻略
・開拓村を規模を大きくし魔物から開拓者を守れるほどの防御力を施すこと
・魔物のスタンピードで怪我をしたものを無償で治療すること
と言うではないかできもしれないことばかりそこで
「使徒様と祭り上げられてはいるが所詮は子供よ。ダンジョンを攻略、開拓村の規模を大きくし防御力を上げるどれも夢の話ではないか。」
とつい感情的になり怒鳴りつけると、腕試しをしてみればと言い近衛兵達数十人相手にその強さを見せつけた。
わしもその気に当てられ失神したのは忘れたい・・・そして気位ばかり高い教会の司祭らを連れて森のダンジョン攻略に向かったが一月もせずに報告があり
「ダンジョン攻略とのこと、至急開拓用の人材を送ってほしいとの事です。」
と伝言を聞き取り敢えず100人ほど送り届けると直ぐに
「既に大規模な城壁と耕作地が作られておりすぐにでも入植できそうです。」
と報告が入った、信じられなかったそして今日戻ってきた使徒様に会うと
「ダンジョンコアです」
と3つの大きなコアを見せてくださった。わしは魔物のスタンピードの恐怖から解放されたと知ったのだ。本当にこの国の悲願が叶った瞬間だった。
その後わしは直々に開拓村に視察に向かった。すると急に道が良くなったと思ったら、遠くに長大な城壁とその周りに深い堀が見え始め、直ぐ近くには青々と穀物が実る広大な耕作地と城壁の中に立派な道と区分けされた街並みが姿を現したのを目にして、流れる涙を止めることができなかった。
その日改めて教会の建立を命じこの街を
「カムイタウン」
と名付けたのだった。
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