第4話僕は言葉が好きだが苦手だ
僕は昔から説明が無駄に長かったり、ぼーっとして話を聞き逃す事が多い人間だった。発達障害も疑ったが、「自分に発達障害があると認識した所で人生何が変わるのか」と思っているから検査受けていない。というか、僕は自分が賢いとさえ思っている。
正直な話、賢くは無いのだろうと思う。勉強しなくても点が取れた事一つだけで、人の賢さは決まらない。僕はこれまで程度の差こそあれ自分で自分を貶して来た。バイトでは出来ない事の多さに戸惑った。接客の時に声も小さかったし(大きく出しているつもりでも出ない)、何より要領得なくて中々片付け等早く出来なかった。一年程経った今なら周りより早く出来る自信はあるものの、要領がいい方では無い。
人間関係で揉めて高校は退学したが、国立大に入った。英検2級は中学三年の時に取った。今通っている所でも周りのスペックに自分は勝っていると感じる。
大学も働きながらで単位全て取ってるし、彼女も出来た。
勉強する事は、出来る事が増える事は自分にとって自分を認めてやれる唯一の手段でもある。
仮に発達障害があったから何だ? 人より出来ない事が多いという事は、自分が未来永劫何も出来る様にならない事を示している訳では無いだろう?
そう思って、僕はやってきた。頭が悪いと言われても「いいや頭が良い、生かしきれてないだけだ」と思ってきた。
でも実際そうなのだと思う。
だって自分なりに自分が出来るやり方を見つけたり考えたり試したりする事で、少なくとも何もできなかった僕は変わった。
人よりやり方が分からないのだ。僕は。
決して何も出来ないのではない。
ああ、言葉が得意になりたい。いちいち自分にイラつかないくらい、もっともっと言葉が上手くなりたい。会話が上手くなりたい。
これをいつか見る未来の俺よ、そっちは今どんな感じだ?
まだ希望を捨てて無いか? まだ「負けてたまるか!」って言い張ってる少年漫画脳のままか?
それならそれで良いし、変わったなら、いや変われたなら、俺はお前を尊敬する。
過去の俺は、未来のお前を尊敬する。
だから、忘れてはいけないぞ。
絶対に変わってやる。負けてたまるか。
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