4章 エプタで全力全開!
1部 米と発酵の始まり
第93話 造形と農業という2つの台風
「な、なんじゃこりゃぁあ!!!」
いや、本当に何が起こったというのだ!目の前には、この世界では見られないであろう大きなお城がデーン!と建っている。留守組と言ったら、スイカ、メルア、はたまたシャルティアか。
ああ、そうか。シャルティアがメルアに命じたのか。うん、そうだ。そうに違いない。そして、3階の本でも参考にして作ったのだろう。
「姫。これは一体」
「おっきいねー。」
「こ、これにこれから住むんですか!」
「リビングの様子が気になるところですが...。」
「庭が...狭くなった...じゃと。」
シラユキは庭に様々な植物が植えられ、広大な遊び場が無くなってしまったことにショックを覚えている。だが、一方で特級神であるソールだけは何かに感づいているようなリアクションを取る。
「イチロウ様、もしかしてですが、私達のいない間に新たな女神達が降臨されたかもしれませんわ。それも特級神で2人の。」
はあ!?マジかよ!?そんなことになっていたら創り置きしていた食事とか無くなっているぞ!?スイカ達は大丈夫か?
「おうおう。ソールにはお見通しだな!」
「私達と同じ特級神ですよ。これくらいは当然です。」
すると、城の城門から二人の女性が現われる。一人は槌を担いだ赤髪の女性、もう一人は緑色のドレスと蔓を身に纏っていた。鑑定。
イードラ
レベル:350
種族:造形神(レッドエルダードワーフ)
[能力値]
HP:350,000/350,000
MP:350,000/350,000
攻撃力:350,000
防御力:350,000
[スキル]
<最上級火属性魔法 LV.10>、<最上級水属性魔法 LV.10>、<最上級土属性魔法 LV.10>、<最上級風属性魔法 LV.10>、<図面投影>、<鑑定>、<最上級造形術>、<最上級建築術>、<最上級修復術>、<万能>
[固有スキル]
<工芸神>
[好感度]
10,000,000,000,000/100
イーシス
レベル:350
種族:農業神(グリーンアルラウネプリンセス)
[能力値]
HP:350,000/350,000
MP:350,000/350,000
攻撃力:350,000
防御力:350,000
[スキル]
<最上級水属性魔法 LV.10>、<最上級土属性魔法 LV.10>、<最上級風属性魔法 LV.10>、<最上級回復魔法 LV.10>、<鑑定>、<最上級植物魔法>、<最上級農業術>、<HP&MP吸収>、<新種創造>、<万能>
[固有スキル]
<農業神>
[好感度]
100,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000/100
こ、ここに来て一番逢いたい
まず赤髪の方が造形神。彼女なら、<創造魔法>では創れない機械製品や最先端技術の結晶を創れたりできる。これなら、精米機とか調味料関連を作る工場とかも作れるだろう。
そして緑髪の方が農業神。彼女なら様々な植物の種や作物を創ることができる。これなら、チヒロさんの白飯のお供作りの飛躍的向上に繋がり、創造魔法でしか作れない料理も作れるようになるだろう。
ここに来て、超強力な2枚のカードが僕に舞い降りた!カードゲームならウルトラレアの一段上のレアリティ間違いなしだろう。
「おおっと。男のくせに意外と柔肌だなぁ。すぐに壊れちまいそうだぞぉ~。」
「ウフフ。よしよし。お姉さんに甘えていいですからねぇ~。」
しかしそれも束の間、イードラには後ろを取られてペタペタと触られ、イーシスにはその2つの富士山でパフパフさせられてしまう。ミントのような香りとスパイシーな香りに挟まれてグロッキー状態に陥ってしまう。
「「「「「ズルイ!」」」」」
更に5人の女神達まで加勢され、理性がより速いスピードで削られていく!微笑ましく見ている勇者様だが、
「アウラ様、お帰りなさいませ。」
「お姉様、もう依頼の方は終わらせましたの?」
そこにメルアをお付きにしたプロスペリア王国第二王女様が迎える。
「うん。聖国の方はしっかりとイチロウくん達が解決してきたよ。アリアの方も2、3日後くらいにプロスペリア王国に赴くって言ってた。」
「まぁ、そうですか。でしたらメルア、今日は今までの分を」
「はい。しっかりとイチロウ様をご奉仕しませんと。」
新たな女神も含め、全員でキャッキャッした。
が、突然、本の集団がイチロウ達を取り囲み始める。
「な、何だ!?」
「メルア。これは何が起こっているの?、メルア?」
これだけで、メルアを含めた他の女神達は押し黙ってしまう。そう。この現象を引き起こせる者は彼女達にとってあの1柱の女神しかいないからだ。しかも上級神と特級神にとっては天上の存在。
「シャルティア様。ここからは王女様という立場をお捨てになってください。気分を損ねたら、忽ちプロスペリア王国を崩壊させかねない御方がいますので。アウラ様もです。」
普段のメルアを知っている王女様~ズは目を疑った。あの父にすら平然とした態度で接している彼女が、こんなにもへりくだっているのだから。
二人は固唾を呑みながら、イチロウ達を見ることにした。一人は心配な顔を、もう一人は姫を守るために。
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