洋楽を聴きながら



世の中は 相変わらず騒がしい


誰かが大金持ちになって

すぐそばにいた人が自分の借金の返済にそのお金を当てたそうだ


記録的な円安だそうだ

全体は値下がっていても 都市部の土地は高くなっているそうだ


でも

俺はそんな喧騒から逃れるように

70年代の洋楽を聴いて ゆったりと過ごしている


だけど

戦争中は 彼らを鬼畜米英と呼んでいたんだろ?

鬼畜米英によって日本人がたくさん殺されたんだろ?

だのに

俺は70年代の米英の曲を聴いて 心が穏やかになっているんだ

ときどきだけど そういうの 可笑しく感じるんだよ

英詞の意味なんてわかりゃしないのに

だのに

聴いて心穏やかになってるなんてね


いや

俺なんかよりもずっとずっと前の戦後間もなくに

日本の子どもたちは ギブミ―チョコレートって言ってたんだろ?

そっちの方も かなり可笑しくてね


自分の国を空襲とか原爆とかでずたずたにした敵国だった人に

自分の 友達の兄ちゃん とうちゃんを戦地で殺した敵国の人に

そんな風になる心境を

テレビ各局は昔に戻ってインタビューしてほしいものだ

「なぜ、あなたは、敵国だった人にチョコレートをくれって言うんですか?」

そんなことがまかり通った背景は何だったんだろう


戦争の悲惨さを語る人が少なくなってきている懸念を

テレビは事あるごとに言っているけれど

それ よりも

俺は 敵国にチョコレートを求めたり

生活のためとはいえパンパンになった女性たちに

その理由を語ってほしいって思ってるんだ


でも

俺が英詞の意味も分からずに気持ちが穏やかになっている理由をわからない

のと同じように

彼らも「わからない」と言いそうな気がしているんだけどね



間違いないことを最後に言うよ


他人事の不倫や当て逃げや性加害でも怒る日本人だから

今なら 絶対にギブミ―チョコレートなんて言わないよ(^_-)






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