塵取り不在

翡翠

ばけもの

 少しずつ君に心惹かれているような気がして、そんな自分が気持ち悪くなった。何でも良いし誰でも良いから、この感情を否定して欲しかった。心臓の辺りで渦巻くそれを、ぐしゃぐしゃに握り潰せたらどんなに楽か知れない。身の程を知れと言わんばかりに、微かな期待を粉々に打ち砕いて欲しい。そうして最後に、少しわらってくれたなら。不誠実な化け物を内緒のうちに切り捨てて、おはようって笑えるのにな。

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