凪志美ちゃんは良成くんを卒業させたい
あんころまっくす
前
「
学校帰りのちょっとした寄り道。
お互い帰宅部の気安さでコンビニへ入ってホットフードのチキンを買って公園でブランコに揺られながら齧る。もう何年も続いている定番コースだ。
「え、うん。まあ。そうだね」
「アタシが付き合ってあげてもいいのよ!」
「うーん」
同席している少女、
「いやあ、別にいいかな」
「なんでよ!?」
間髪入れない
このやり取りは一回や二回じゃない。本当に何度も繰り返しているのだから。
「なんでって言われても……」
そもそも
「あーっはっはっはっはっ!」
ひときわ大きな、しっとりした思春期の空気を余すところなく粉砕する笑い声が響き渡った。
ブランコの横にある滑り台の上にひとりの女が立っていた。
手入れの行き届いた鋭い釣り眉とデコ出しボブの黒髪に薄い赤のセルフレーム眼鏡、縦縞のセーターに包まれた豊満な果実はGカップを下るまい。
「お、お姉ちゃん!」
そう、
「まぁたウチの
義姉がドヤ顔で見下ろしてくる。
「まぁた振られたみたいね! この負け属性幼馴染がっ!!」
「うるせえデブ」
「でっ! でっ! でっ!? っさいわぺったんがっ!」
言葉にならないとはこのことだ。が、だからこそ
「そーゆーこと言っちゃう!? このぷくぷくたいっ!」
「ぷくぷくっ! ぷくぷくって!! あああっ!?」
まさに地獄! インフェルノの様相である。
ともあれ日々このような調子である。
お義姉ちゃん殺すべし、慈悲は無い。
その為なら私、
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