第48話
「え」
柏田の間抜けな声が、何故か俺の元まで聞こえる。こんな事は予想してなかった、といったところだろうか。
柏田の周りには人がいない。クラスのお遊びサッカーであるため、人間がボールの周りに集中しすぎている。俺の指令をなんとなくは理解出来ても、きちんと行動出来るのは一握りだ。控えめに言って役立たずどもめ。
俺は、瞬時に頭を回転させ
『
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柏田一郎 → 伊藤健二
好感度:-41
伊藤健二 → 柏田一郎
好感度:-11
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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柏田一郎 → 高橋雄三
好感度:-33
高橋雄三 → 柏田一郎
好感度:-45
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柏田一郎 → 渡辺公司
好感度:-38
渡辺公司 → 柏田一郎
好感度:0
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柏田一郎 → 鈴木亮吾
好感度:-30
鈴木亮吾 → 柏田一郎
好感度:+3
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柏田一郎 → 田中和真
好感度:+18
田中和真 → 柏田一郎
好感度:+25
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柏田一郎 → 舟倉あや
好感度:+8
舟倉あや → 柏田一郎
好感度:+81
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「ぶっ!」
俺は突然出てきた『好感度:+81』の文字に驚き、思わず吹き出してしまった。なんだ?舟倉あや?確か⋯⋯。
そう考えていた間に、柏田は田中和真にボールをパスした。しまった!突然の出来事に動揺してしまい、パスカットに動くという思考が遮られてしまった。
「柏田くん!右を走って!」
「えっ!?う、うん!」
田中は吹奏楽部に所属している優男だ。柏田と友達、と呼べるほどの好感度では無いが、普通に良いクラスメイトくらいに思われているのだろう。田中はボールをドリブルしながら、人のいないグラウンドを駆ける。より人のいない田中の右側を柏田が全力で走っていた。
俺は田中と柏田を追うため走る。カス共がファウルスレスレの妨害をしてくるが、全てを回避してボールを追いかける。
暫く経ち、田中が柏田にボールをパスする。今度は来ると分かっていたからか、覚束無いながらもボールを受け止めそのままドリブルを始めた。
しかし、運動神経抜群天城くんの足は速い。一般帰宅部生徒の柏田がドリブルして進めるスピードより、俺の全力疾走の方がずっと速いのだ。
もう少しで追いつく、といったところで柏田が田中にパスを出した。ギリギリ間に合わないパスルートだ。他のクラスメイトも急いで追いかけるが、なかなか間に合わない。
いよいよ俺らのゴールが狙える距離まで来た。しかし、同時に俺もボールを持つ田中のところまで追いつく。田中がシュートのフォームに入ったため、俺は田中のボールをカットしようと足を蹴り出した。
「ぐっ!?」
しかし、俺のボールカットは阻止される。
こいつ⋯⋯!どう考えてもファウルだろ!この俺に直接暴力を振るうとは、死にたいらしいな⋯⋯!
俺が憤ってる間に田中がボールを蹴った。しかし、そのボールはゴールキーパーが弾き飛ばす。キャッチしようとしたが、失敗してしまった形だ。
その弾かれたサッカーボールは、柏田の目の前に飛んでくる。何やってんだあのゴールキーパー⋯⋯。
柏田は覚悟を決めた顔をすると、そのボールを頭で更に打ち返す。柏田のヘディングシュートは、特殊な軌道を描いてゴールネットへと吸い込まれた。
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