第145話 金額・不機嫌
私が不機嫌なのは、金額に不満があるからじゃない。クライアントに元彼がいたからだ。
初対面のフリして握手しようとする元彼に皮肉の一つも言いたかったが、上手い言葉が見つからない。
このプロジェクトに社運がかかってる。下手なことはできない。私は感情を抑え、コーヒーを一気に飲み干した。
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