第132話 一世一代の
ある女優の大ファンだという監督が、彼女のための映画を撮った。一世一代の名演技で、その映画は数々の賞を総なめにした。
だが彼女はこの作品を最後に引退した。
祖母の経歴を知ったのは、私が女優になってからだ。知っていたらお芝居の話ができたのに。
私は大女優の墓前で静かに手を合わせた。
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