第109話 夢幻・虹

 虹の橋を渡りたいと幼い頃から思っていた。でも大きくなるにつれて、光の反射による幻と知り、がっかりした。自分の追いかけていたものは夢幻の存在だった。

 だが虹は代わりに光の不思議さを教えてくれた。

 科学はファンタジーの宝庫だ。それに気づいたあの日が、科学者生活の始まりだったのだろう。

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