第101話 取り引き・林檎

 勉強が終わり、私はお礼に手作りのアップルパイを彼に渡した。

 彼は「教えるのに取り引きしたつもりはないよ」と笑った。

「じゃあなんで?」

 私の問いかけに彼はサラリと答える。

「同じ高校に行きたいから」

 甘酸っぱいものが広がったのは口の中の林檎が原因?

 ガラス越しに夕焼け空が見えた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る