第081話 醜い・月

 満月の夜、私は自分を檻に入れ拘束する。奥に潜む獣が目を覚まし、人間の血を求めるからだ。

 私は自分の醜い姿を呪った。だが理性の欠片も残らない満月には、なすすべもない。

 何も知らない友が、私の拘束を解く。

 やめろと叫ぶ心の声は届かない。今宵の贄を前に歓喜する、もう一人の私には。

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