第058話 濡れた唇


 柔らかで芳醇な香りを放つ肌に、目が吸い寄せられた。少し赤みがかっているのは、羞恥心の現れか。

 私は唇を舐め、魅惑的な肌に歯をたてた。

 君の流す蜜は舌をとろけさせ、私を恍惚とさせるほどに甘く酔わせる。

 濡れた唇は、さらに君を貪りつつける。

 ああ美味い!

 やっぱり桃は岡山産が一番だ。

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