第015話 肌・声
梅林の中に春告鳥の声が聞こえた。まだ肌寒い風が香りと共に花びらを運び、掌に落とす。
季節は確実に移ろい、涙にくれた冬は過ぎ去ろうとしている。
お水取りが終われば、大和路にも春が来る。
あなたの思い出を胸に、私も新しい一歩を踏み出そう。
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