第013話 黒・どこ

 考える時間もなくなってきた。そろそろ勝負が決まる。

 どこに置けば勝てる? 黒い石を握りしめて、僕は碁盤を見つめた。

 そのとき。一箇所が浮かび上がる。

 間違いない、ここだ!

 僕はパチンと音を立てて、黒い石を置く。

 相手の顔から余裕が消え、やがて悔しそうに呟いた。

「投了します」

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