第011話 赤・晴れ

 真夜中過ぎに思い立って車を走らせた。たどり着いたのは、海辺の小さな町だ。車を降りて海岸線に立つ。

 東の水平線が濃いオレンジ色に染められ、やがて世が明けた。晴れた空に、真っ赤な太陽が顔を出す。


 この景色が見たかった。

 最期に。

 神々しい光を全身に浴び、俺の身体は塵になった。

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