樹上多次元世界の人型機動兵器
●人型機動兵器の共通項
いくつかの並行世界では搭乗式の人型機動兵器が運用されており、それらには共通点が存在する。
・10m以下のサイズ
多くの人型兵器は全長10m以下のサイズとなっている。これは建造コストと他の兵器と共に運用する際の利便性を考慮された結果と思われる。
ただし、中には例外もあり、200mサイズの人型兵器を運用している並行世界も存在している。
・意識同期制御
人が乗り込んで操縦する人型機動兵器を実現するには様々な課題が存在するが、その一つが制御方法である。
手足や指の動作は極めて複雑であり、それを操縦桿やスイッチ等で操作する場合は、極めて高度なプログラムによる自動化が必須となる。しかし、それでは人型が持つ汎用性が損なわれる問題もある。
多くの並行世界でこの問題を意識同期制御で解決する。脳波制御の発展系ともいえるこの技術により、パイロットは自らの意識を機体と同期させる。
手足だけでなく視覚や聴覚もカメラセンサーや集音センサーと同期させるので、パイロットの主観的には機体が自分の体になったように感じる。例えるなら、フルダイブ型VRでアバターを操作するのに近い
これ以外には、機体に知性を付与する。人の脳を摘出して制御装置に改造するといった手法がとられる。
いずれにせよ複雑な人型機械を動かすには、直接的にせよ間接的にせよ機体に意思を宿す必要がある。
・骨格フレームと人工筋肉
人型機動兵器は骨格フレームと人工筋肉によって構成されている。サーボモーターや油圧ピストンなどを使用しないのは、前述の意識同期制御が関係している。
意識同期制御中、パイロットは機体を自分の体として動かす。その場合、サーボモーターや油圧ピストンでの駆動は、本来の人体とは異なる感覚となってしまう。意識同期制御で機体を動かすのなら、可能な限り人体を模倣する必要がある。
●各並行世界の人型機動兵器
・ロボティクスジャイアント
第2並行世界で使用されている人型機動兵器。基本的にRGと略されて呼ばれている。火器は内蔵せず、基本的に手持ち武器で攻撃を行う。
全てのRGはキネシスマニューバシステムを搭載している。これは科学的に念力を発生させる装置であり、これによって機体を飛行させ、あるいは複数の武器を操って攻撃ドローンとして使用するのに利用される。また、実体弾の攻撃を受けても、運動エネルギーを相殺させて防御するのも可能
・バイオスーパーロボット
第644並行世界で運用されている。
この人型機動兵器は怪獣の死骸で作られており、燃料も加工された怪獣の血液を使用している。
また超力装置と呼ばれる超自然技能発生装置を搭載しており、物質の強度を無視した切断現象や、広範囲の冷凍現象を発生させる。
建造方法の都合上、統一規格の量産型は存在せず、全てがワンオフの機体である。
・動力付き大型防護服
第708並行世界で運用されるこの人型機動兵器は日本の苦し紛れから生まれた。
この並行世界の日本では、憲法9条が他の並行世界よりも強力に作用しており、戦闘力を持つ車両、船舶、航空機の保持が一切認められていない。
そのため自衛隊は「兵器ではなく防護服」という建前でこの兵器を運用している。
そのため、火器を内臓しておらず、生身の人が使う銃器をそのまま大型化した専用の銃器で攻撃を行う
性能としてはかなり低く、効果的な戦術と超一流のパイロットの技量があって初めて同世代の通常兵器と互角程度である。
ただし、この兵器の最大の特徴はその安さにある。単純に各種装備を除いた機体本体のみならば、1000万円程度(2024年頃の貨幣価値)で製造可能である。
・スーパーロボット(第708並行世界)
この人型機動兵器は第708並行世界の異星文明によって開発された。
遙か昔、異星文明が地球に移住した。彼らは自分たちが乗ってきた宇宙船を地中深くに隠匿しており、その宇宙船の中には艦載機として搭載されていたスーパーロボットがあった。
21世紀になって、異星文明が残した宇宙船とスーパーロボットが発掘される。日本で発掘されたスーパーロボットは後に、動力付き大型防護服を開発する参考になった。
スーパーロボットは他の並行世界の人型機動兵器と比べても破格の性能を誇っており、フォースエナジーのバリアによって通常兵器で損傷を与えられず、また限定的ながら自己修復すら可能である。そのため、バリアを貫通しなおかつパイロットを一撃で殺傷しなければ撃破できない。
一方で大量のフォースエナジーを持つパイロットで無ければ戦闘はおろか機体を起動すら出来ない。
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