3がつ 29にち 「あめ」
三月二十九日 晴れのち雨 なんで雨なんじゃ
普段であれば、本文を書いてからタイトルを決めるところ、本日はこれ以外にあるまいと、はじめから決め打ちして書きます。
きょうの朝は、サーモンのお刺身を食べました。おじさんにもらった、ちょっぴりいいやつでした。とっても味が濃くて、おいしかったです。エンペラーサーモン? みたいな名前だった気がします。名前かわかんないです。包みにそう書いてありました。
朝は、早くにおうちを出ました。久しぶりでした。喫茶店でお話を書きました。
お仕事は、今日は、とっても緊張する日でした。三十人もひとがいる前で、そのひとたち相手に、お勉強会をしなくちゃでした。一時間もありました。聴いているひとは、みーんな、茶々瀬よりもずっと年上ばっかりです。とってもドキドキしました。
お勉強の内容も、茶々瀬が考えたものだったし、準備は先輩にいっぱい手伝ってもらったけど、どんなこと言われるかわかんなかったから、とっても怖かったです。
でも、はじまっちゃうと、段々楽しくなってきます。演奏と、少し似てます。
まあまあ、ちゃんと聴いてくれたみたいで、安心しました。
終わったあとで、ほかのスタッフさんに感想を訊きました。とっても声が聴きやすくて、滑舌よくて、羨ましいって言われました! 嬉しかったです。声のことは、いっつも、緊張すると早口になっちゃうことばっかり言われてたから、不意打ちでした。目が大きいのと、手がきれいなのに加えて、声が聴きやすいも、茶々瀬の自慢にしたいです。
お仕事のあとは、お花見に行く予定でした。お友達……になりたいと思っているひとたちを、茶々瀬が誘っていました。とっても楽しみにしていました。
なのに、雨が降ってきました。お昼はすーっごくいい天気で、これならお花見できるって楽しみにしてたのに。雨でした。
仕方ないから、三人で喫茶店でお喋りをしました。
一緒にいったひとのひとりは、とってもお喋りが上手です。茶々瀬は苦手だから、羨ましいなって思いました。価値観とか、かっこいいなって、憧れます。
もうひとりは、茶々瀬よりも年下なのに、お仕事をすごく熱心にやるひとです。茶々瀬はあんなにひとのために頑張れないなって思います。すごいひとです。
ふたりは、仲良しで、よく遊びに行っている、という話をしていました。いいなって思いました。茶々瀬はいっしょにおでかけするお友達がいません。羨ましいです。
茶々瀬はふたりに興味あるけど、ふたりは、茶々瀬に興味ないのがよくわかるから、それも悲しかったです。茶々瀬も魅力のある人間になりたいです。うすべったい人間なの、悲しいです。
ちょっと長めになりました。おやすみなさい。
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