茶々瀬の日記
茶々瀬 橙
5がつ 24にち 「すずめ」
五月二十四日、晴れ、あつかったかな?
脈絡もなく日記を書き始めます。
茶々瀬は日常を話して聞かせる相手にも事欠くほど交友関係が希薄なので、誰かに読んでもらえることを期待して書き始めます。
三日坊主で終わるかも知れないし、読むに堪えない痛々しさかも知れませんけれど、「誰かに読んでもらえるかも、共感してもらえるかも」と茶々瀬が希望を抱けることが大事なので、目を通したひとが共感性羞恥のあまりスマホを壁に投げつけようと知ったことではありません。誹謗中傷されるとたいへんに傷つくのでやめてください。
中身はあってないようなものなので、それも許してください。
今朝はベランダで勝手に育っているサボテンが花を咲かせていました。嬉しかったです。桃色の、細く尖った花弁をたくさんつけたお花です。かわいかったです。
お仕事では、好きな人に無視された気がしました。いや無視されました。嫌われているのだと思います。悲しかったです。
帰り道に、すずめの交尾を目撃しました。ちりちり鳴きながら、尾羽を立てて、翼をぷるぷる震わせて重なっていました。じっと見ました。春だなと思いました。
あとお寺に寄りました。賽銭箱の脇に机がありました。その上に置いてあるノートの表紙には懺悔がどうのと書いてありました。「好きに話してください」と注釈があって、たくさんのひとが思いおもいに文章を綴っていたので、茶々瀬も真似して「誰にも迷惑をかけずに消えてなくなりたい」と書いてきました。
境内……お寺も境内ですか? 境内に置いてあった椅子に座って音楽を聴いていたら、とても悲しくなって涙が出ました。お寺のひとが箒で掃除を始めたので、邪魔に思われている気がして逃げ帰りました。阿吽の像がかっこよかったです。
帰りの電車では『吾輩は猫である』の続きを読みました。おもしろいけど、難しいのでなかなか読み進みません。迷亭くんの性格が好きです。
帰りは、あとお店に寄ってロープを物色しました。百二十キロまでひとを支えられるなら、必要十分な強度があるな、と思いました。これが千円か、と思いつつ、買いませんでした。また今度にしようと思いました。
代わりに漫画を買いました。『超人X』三巻と『ことり文書』一、二巻です。後者は衝動買いです。明日読もうと思います。楽しみです。
DVDも借りてきました。『アナと雪の女王』とその続編、『ズートピア』、『塔の上のラプンツェル』です。でずにーです。この前は『ブレードランナー』とその続編、『ショーシャンクの空に』を借りたので、違うものにしようと思ってこれにしました。これから観ます。
日記を書くのは大変です。
明日にはやってないかもな、と思いました。
誰か読んでくれるかな? わくわく。
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