第13話 真祐の思い

「同性だろうが異性だろうが本気マジで好きになってなにがわりぃんだよ。」

その言葉を投げかけた人物は真祐だった。

相手を怖い目つきで見れば、怒ったような口ぶりで言い放つ。

なぜここにいるかというと、きららにこの場所へ来るよう呼び出しを受けていたからだ。

彼女は彼の発言の意味が分からず戸惑うも、当初の目的であった自分の意志を伝える。

「で、でも!きららは真祐くんが好きで!」

「もう話すことはない、俺の前から失せろ」

「っ!そんな言い方酷いわ!」

だが虚しくも彼の心には響かず、冷ややかな態度を取られてしまう。

よほど結愛に対しての言葉が気に入らなかったのだろうか。

きららは悔しそうに唇を噛むと涙を滲ませながら、校舎の方へ駆けていった。

こんなにあっさりも振られてしまうとは予想していなかったかもしれない。


一人残された真祐は地面に落ちていたクッキーを拾うと、ふと結愛のことが思い出され頭をかく。

悩んだ末、とりあえず彼女の向かった方へ歩みを進めれば、大きな声で泣きじゃくる相手を見つけ思わず体育用具室の裏に隠れ様子を伺う。

気になるが、声をかけるのを悩んでいるのかその場を動く気配がない。

どうやら側には花凜がいて彼女を慰めてるようだ。

しばらくしても状況は変わらず、心配をして見に来たはいいものの、彼は完全に出るタイミングを失ってしまっていた。

ただこの場を離れようとはせず、なぜか無意識に結愛の作ったクッキーを食べながら2人を眺めていたのである。







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