第4話 天才
天才
たまに生まれながらにして複数の才能を持って生まれる人間がいる。
いわゆる天才と言うやつ、これは転生前にかなり多くのスキルを持って生まれた場合だ。
その仕組みは簡単、音楽の世界なら音符の読み方楽器のノウハウそれらのスキルを細かく幾千ものスキルとして生まれたとき引き継ぐからだ。
5歳の天才児がグランドピアノを弾く姿は、天才どころか神の奇跡とまで云わしめる。
ある意味その通りだが、そこには転生システムの生んだスキルが大きな影響を与えているに他ならない。
何千何万と言う魂が人間として転生する、前世の記憶やスキルは殆ど削除されるが、中にはそれらスキルを数多く所持したまま転生してくる、その中でもかなり偏ったスキル所持者の中に天才という部類のスキル持ちがいる。
但しこのスキル何でも良い訳ではない、死後転生によって持ち込めるスキルはこういった芸術的なスキルが結構多いのだ。
では音楽や芸術で何故そこまで細分化されたスキルが増やせるのか。
そこには数学的な分野が、答えを出してくれそうだ。
そう普通の人なら考えもしない、数学での細分化されたスキル。
もし音楽でピアノを勉強したとしよう、すると音符による音の違いとその組み合わせによるメロディーを指を使用して行なう行為となる。
普通はピアノ教本のバイエル辺りから始めるが、どんどん難しくなって最後はどこかの有名な作曲家の楽譜へと変化するが。
殆どの場合バイエルで夢は潰える。
それは何故か?単純に上手くならないからと言うのが一番の理由だが、ではそれ以上上手くなる人はどうしてなのか?
好きだからと言うのもあるがその先はさきほどのスキルも関係してくる、はじめから少しできるから覚えるのも早いはず。
だがそれでもそこまでの人が殆ど、ではその先の天才はどうなっているのか?
これをスキルとして表すことができるのは数学でしか表せない。
指の位置、鍵盤の場所、指の重さ移動距離、何ミリ押し込むか、それらをスキルとして細かく記憶しているのだ。
天才、そう天才はそれらの細かい動作を数値化し、スキルとして細かく記憶することで死後も天才として生まれ変わることが出来る。
何でそういいきれるのか?だってここまで語れば解る、数値化できれば楽譜は機械でいくらでも音を出せるから。
天才達はこうした形でスキルをたくさん所持したまま転生を果たす、まあこれは芸術家の場合だ。
ではその他の転生で生まれながらに記憶を持って生まれる人の場合、よくあるのが交通事故などで死んで、生まれ変わったときに生前の記憶がある場合。
この場合も芸術とは違う記憶をスキルとして沢山持っている場合が殆ど。
たとえばスポーツも同じように体の動きを数値化しスキルにして記憶している場合は転生時に記憶を持っている場合がある。
これら転生にはさらにその前の記憶も当然関係してくるのは言うまでもない、なんて言ったって魂はリサイクルされるのだから。
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