そのこころは…

私は今、世の理を解いている。

…いや、溶いていると言っても良いだろう。


この銀河にあまねく森羅万象とともに、唸りをあげ、そしてまた原点へとかえっていく。


今正に、私の手の中に輪廻が存在するのだ。


この社会は甘くなく、だがしかし"からい"わけでもない。

人それぞれに楽しみがあり、また無価値でもある。


だがこれだけでは足りない。

生きとし生けるものの熱量が必要なのだ。


現世を地獄の業火で包む程のこの熱量が必要なのだ。


5分…

いや10分だったか…

まぁ良い、そろそろだろう…


世の理に触れた私の目の前に広がるのは、焼けただれた不毛な大地。

そして微かな息吹を感じる。


生物たちが生み出す仄かな風が私の好奇心を加速させる。


私は我慢出来ず、ついに"それ"に手を伸ばし、まるでそうすることをわかっていたかのように…


…あっ


私は今、世界と一つになったのだ…

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