帰路

…ガチャッ


扉を開け、今日も僕は出掛ける。

いつも行っているあの海まで歩く。


到着すると、これまたいつものように海沿いを歩き、なにか流れていないか探し回る。


「手紙とか…あるわけないか」


この独り言もいつものことだ。


どれぐらいだろう…

わからないけど、ひたすらに歩き続けると見えてくる食堂に入る。


(あ、いつものおばちゃんだ)


そう、このおばちゃん、僕を見つけると一瞬で焼きそばを持ってきて、いつも通りのお代をせしめていくんだ。


なんとよく出来たおばちゃんだろうか。


「ごちそうさまでした!」


僕が言うと、またいつも通りにおばちゃんが


「あいよっ!」


と、笑顔で返してくれた。


さてと…

今日も折り返しをとっくに過ぎてるみたいだ。

慣れ親しんだ日常に少し嬉しくなりつつも、夜が明けるとやってくる"慣れ親しんだ日常"を楽しみに、今日も帰るんだ。


始まりの場所まで…



……


………ガチャッ

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