初めての職場にて…

私がまだ


「プライドなんて馬鹿げている。そんな馬鹿げたものを持たないことが私のプライドだ」


などとのたまっていた、まだまだ尻の青い青二才だった頃のこと。


私が初めて就職ということを経験し、また初めての離職を経験した職場にて、先輩と"仕事"について話していると、その先輩が「〇〇はプライドが高いからなぁ…」と少しぼやいていた。


私はすかさず「プライドなんて持たなければいいのに」と言うと、先輩から「いやお前、プライドも持てないような仕事なんてするなよ」と言われた。


最初は、


(はぁ、また下らないプライド"ごっこ"が始まった)


なんて心の中で毒づいたが、

その先輩が言っていたことが今でも私の仕事を支え、私の生活を支えている。


人に頼まれたことを請け負い、あまつさえお金をもらいながらしていることに「"自信"がない」なんてことは許されるはずがない。


その時確かに、その先輩のたった一言で、

私のプライドは打ち砕かれた。


今でもとても感謝しています。

私自身では到底突き破ることが出来なかった壁を、向こう側からいともたやすく叩き割ってくれたことを。

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