【休載中】姉と幼馴染と美人先輩の俺の取り合いは、正妻戦争に変わってしまった
東権海
第1話 いつもの登校風景
街路樹のイチョウがすこしずつ黄色く色づき始めた9月下旬。
いつも通り家を出た俺を見つけて駆け寄ってくる少女が一人。
「おはよ、律希。今朝もお姉さん怒らせたの?」
この駆け寄ってきた可愛い少女は川俣楓、俺と同じく高校1年生。
成績優秀、容姿端麗の美少女。
そのスタイルの良さに先輩たちから同級生までこぞって告白したらしいが、全員玉砕したんだとかなんだとか。
「おはよう、楓。わかるの?
「だって右のほっぺたちょっと赤く腫れてるよ?」
「そっか……。実はさ、朝食食べにリビングに降りたら姉がいてさ」
「それで?」
「私がいるところに入ってくんな!って朝からぶん殴られた」
「しずくさん、随分変わったね……」
「いいんだか悪いんだかって感じだよ。前は前でかなりアレだったけどさ」
「あはは……」
俺の言葉に苦笑いする楓。
相原しずく。
1個上の姉で、中2のときにヤンキーに絡まれてパシリにされていたときに全員潰した超人。
最近は毎日俺に冷たく当たってきて、殴られるなんて3日に1回くらいの割合で起こる。
前はすごい甘々で、普段の朝食や夕食もあーんするほどだったが、高校に上がる頃に流石に辞めてくれと言ったところ、豹変してからこんな感じで物凄く冷たいのである。
で、それをどうにか出来ないかと相談してたのが幼馴染の楓なのだ。
だから前の姉も知ってるし、今のめちゃくちゃ冷たくなった姉も知ってる。
「相変わらず冷たいままというかなんというか……。ほんとに対応に困るんだよね」
「しずくさんってそんなに極端だったっけ?」
「さあ?俺に対しては極端だけどな」
そうやって身内話で盛り上がりながら歩いていく俺たち。
その後ろにはひとりの少女の影があった。
彼女の名前は相原しずく。
先程まで律希たち2人の会話にさんざん登場してきた張本人である。
さて、そんな彼女の様子はというと。
「はぁ、どうしてこんなに冷たい態度しか取れないんだろ……」
物凄く真っ暗に沈んで下向きになっていた。
なにせあんだけ言われてたのを全部聞いていたのである。
彼女、なんと弟離れに大失敗し、あろうことか弟相手に恋してしまったのである。
だが、それを隠さなくてはならないことくらいはさすがのしずくでも分かっていた。
そしてそれを隠すのが苦手なしずくは、律希に冷たい態度を取り続けることになり、今日に至っている。
さらに今日、妙に緊張しながら家を出ていくのを見て後をつけるようにして出てきていた。
結果があのやり取りである。
もう自分が嫌になるくらいである。
いくら自分の想いを隠さなきゃいけないからといって取って良い態度じゃないのは分かってるけど、相変わらず冷たい態度しかとれないのはもはや自己嫌悪の域に入っていた。
まあでもなんとか直せるだろうと安易に考えてなんとか正気を保っていた。
それがまさかこのあと衝撃的な出来事が起きるとは知らずに……
///////////////////////////////////////////////////////////////
この作品は純粋な(?)ラブコメです。
自分がほんとに書きたかった純粋ハーレム物がようやく書き始められました。
時折暴走するかもしれませんがご容赦ください。
今日のキャラ紹介
・相原律希 (あいはら りつき、JR横浜線)
高校1年生。1個上の姉(元ブラコン)を持つごく普通の男子高校生。楓の幼馴染で、実は好意を寄せている。
成績はそこそこ優秀、容姿普通、運動能力普通と至って平凡な男子高校生だが、意外とモテている。ただし本人は無自覚。理由は普段から楓と一緒にいることが多く、この2人ほどお似合いなカップルはないと全校生徒に認識されているために誰も告白しないから。最近ようやく決心し、楓に告白しようとしている。
///////////////////////////////////////////////////////////////
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます