第299話 ばらしちゃう?
ばらしちゃう?
現地に潜入している仲間はコードネームでしかわからないが、途中まではモリソン氏も同行すると言う。
そうなって来ると断れない案件になってくる、モリソンファミリーにも挨拶しなければいけないし。
多分モリソン氏が俺を推しているとも考えられる、潜入依頼にかこつけてまた俺を試そうとしているのかもしれないが。
どちらにしてもメアリーさんとのUK行きは断り切れないと考えられる。
ただ気がかりなのはアイリーンとエミリアのことだ、彼女らはどうするのだろう?
【はー前倒しで進めるしかないのか】
【アイリーン様とエミリア様のロボ化ですか?】
【やるなら一応他言できないようにしておくけど俺がいない間にNADLが何して来るかわからない】
【メアリー様はどうします?】
【それもあるんだよな、でもロボ化すると彼女の超能力は無くなってしまう可能性があるんじゃないか?】
機械は相手のエネルギーを吸う必要が無くなるし老いる事も無い。
メアリーさんの能力は俺の能力で無効化される可能性がある、もちろん危ないとき以外は俺が解除すれば問題ないが。
エナジードレインは機械化するとただの燃料補給になってしまう、若返る必要が無くなるのだから。
【やっぱりどちらも今はだめだ、まだ早すぎる】
【向こうへ行けばいつでもこちらへは戻れますから、その時が来てからメアリー様に話されては?】
要人救助ならば対象の人物に会ってしまえば後は俺の転移能力で移動するだけ。
その場合メアリーさんにはその能力がばれてしまう事になる、以前のように脳内からその情報を制限することもできなくはないのだが。
彼女の場合すでに数回記憶を操作しており、過度の記憶操作で不具合が出る事も考えておかないといけない。
最悪、記憶喪失や人格破壊につながる可能性があるのだ。
記憶、それはとてもデリケートな分野であり、下手にいじるとアルツハイマーのような記憶障害や多重人格のようになってしまう事もある。
だが記憶に規制をかけておくだけならばそこまでの記憶障害は出にくいと考えられる。
その場合、もし敵の超能力者に見つかり記憶を操作されれば俺の情報がバレてしまうだろう。
今の所メアリーさんには俺の能力の一部しか話せないようにしてあるだけで、それ以上の記憶操作はしていない。
そう考えると彼女を一人で行かせるのも返って危険だと言う事になるのだが。
「どうするの?」
「仕方がない、ですが2か月とは言わず1週間以内で終わらせます」
「え?」
「UKに着いたらすぐに写真と詳しい情報を聞かせてください」
「ありがと~そうすけ」
「チュ!」
2か月、それはどういうことなのか?保護対象が何処にいるのか分からないから?
それとも常に移動していて、そこへ行くのは危険だから?そもそも超能力者がいるのだからそこまで時間がかかるとは思えない。
これは俺の勘だがその情報自体が半分フェイクで、西側の諜報員を捕縛するのが目的であり敵側の罠の可能性が非常に高い。
2名のLUCK持ちから同伴を勧められたのは、そうしなければメアリーさんが危機に陥る可能性が高いことを示しているのでは?そんな考えが俺の頭をよぎる。
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