最強の魔術師は寝取られ気質である

第21話 魔女と魔術師

「師匠、やっぱり、私は、駄目なんでしょうか…」

「えっ、いや…え？」

ど、どういう意図の質問ですか…？

意味が、意味が分からない…！

「やっぱり私迷惑ですよね、だからそろそろ師匠から離れようと…」

「いやいやいや…おまっ…なんで！？」

そうは…そうはならんやろ！？

「だって師匠、セイルさんと付き合ってるでしょうだったら私は邪魔じゃ…」

「付き合って無いよ！？」

誰だよそんなデマ流した奴！

俺なんかじゃセイルとは付き合って貰えないって！

だって俺セイルの事最初は完全に男だと思ってたからね！？そんな奴セイルも嫌でしょ！

「…へ？そうなんですか？」

「うん…」

俺は今まで人生で一度も彼女がいた事がないんだよ悲しいこと考えさせないでくれ…

「へー、じゃあ好きな人は？」

「…それは居る」

俺は、アイツが、俺の事を認めてくれた

俺を救ってくれた、アイツがずっと好きなんだよ

「やっぱり！やっぱりセイルさんと両思いじゃないですか！私、師匠から離れます！」

「いや、好きな人セイルじゃないし両思いでもないからね！？」

セイルは別に俺の師匠だから気にかけてくれてるだけで俺の事を好きな訳ではねぇよ！？

「好きな人ってセイルさんじゃないんですか！？」

「うん？違うよ？」

えっ、違うよ？

どこをどう見たらそうなるの？

「えぇ！？セイルさんとあんなにイチャイチャしてるのに！？！？」

「イチャイチャしてないよ！？」

セイルへの風評被害はやめようよ！？

「そうですか、分かりました、私…覚悟を決めました、私は…師匠を落としてみせます！」

「何に？？？」

やっぱりアリス壊れたの…？

ーーー

「…なぁアリス」

「何ですか師匠？」

アレからリーナに合うために街を出たんだが…

俺は気づいてしまったんだ

「アリス、お前なんで俺の事師匠呼びなの？」

「…え？」

今まで忘れてたけど俺、アリスの師匠辞めてるからね！？もう一人前だし教える事ないよ！？

「いや、なんでそんなに驚いてるんだよ、俺言ったよな？お前の師匠辞める！って」

「し、師匠…やっぱりこんな弟子嫌ですよね…私、師匠から離れて一人で…」

えっ…なんで！？

ちょっ…なんで！？

「いや、なんで俺がアリスを弟子にするのが嫌みたいな話になってるの！？」

「…え？ち、違うんですか？」

違うよ！？俺そんなに外道じゃないよ！？

俺の事、カグアの親戚かなんかだと思ってる！？

「違うよ…俺にはもう教えられる事はないからお前は免許皆伝だよ！ってつもりで言ったのに…」

「そ、そうだったんですか！？」

そうだよ！？

俺ってそんなに非情に見えるかなぁ！？

「そうだよ？…にしてもお前も強くなったよな、今なら魔術貴族にもなれるんじゃないか？」

「そうですね、魔術貴族も夢じゃ…ハッ！？」

えっ？

何！？何を見つけたの！？

「何があったんだアリス！？」

「いえ…気づいてしまっただけです」

えっ怖…

何に気づいたんだよ…