第14話 魔術師とクズ
アリスが泣いてたのは師匠って言葉を聞いたことでショックな事を思い出したからだそうだ
やっぱりカグアの野郎クソ過ぎないか?
「アリス、落ち着いたか?」
「はい、もう大丈夫です師匠!」
「それじゃあ早速テュポン山脈まで行くから準備してくれアリス」
「大丈夫です師匠!私物は全て空間魔術に収納してるのでだから早く行きましょう!」
「おお!そうか…だが本当に忘れ物はないか?」
「大丈夫ですよ師匠!それに師匠こそ忘れ物はないんですか?」
忘れ物?いや、そんな物は…でもそう言われると何かを忘れてる気が…
「あっ、カグア」
「?アイツがどうかしたんですか?」
「いや、直ぐに戻ってくるつもりだったからカグアを拘束してたんだが忘れてたなって」
しかも結構痛い【ラヴァバインド】で拘束してたなと思ってな…
…まぁ、誰か見つけるだろ!
見つけなくてもカグアの事だしどうでもいいや!
ーーー
「…なぁ、アリス、俺の目には拘束して置いてきた筈のカグアが追い掛けて来てるように見えるんだが気の所為か?」
「気の所為じゃないですね師匠、あれ完全にカグアですよ、何しに来たんですかね」
はぁ!?
ここに来てまた迷惑をかける気か!?
許さんぞ!
今度こそ心をへし折ってやる!
「カグア、何をしに来た」
「そ、それは…お前らに謝ろうと思って…」
馬鹿にしてんのかな?
いや、またお前が魅了の魔眼を使う可能性のある以上アリスに近づけられるかよ!
「三属性混合最上級魔術【ラヴァバインド】」
「なっ…なんで!?」
なんで…なんで!?
いや、自分のしたことから考えてこれくらいは想定しておけよ!自分のやった事の重大さを考えろ!
「申し訳無いと思ってんなら近づくなクソ野郎!」
「そーだそーだ!」
つーか二度とアリスには近寄らせねぇからな!
ブチ殺すぞ!
「アリス、行くぞ」
「はい!師匠!」
じゃあなクズ!
俺はもう馬車でライの町―テュポン山脈最寄りの町まで行くからもう付いて来んなよ!死ね!
「アリスさっさと馬車に乗れ、あのクズ野郎から逃げるぞ!」
「分かりました師匠!」
ーーー
クソっ!
なんだよアイツら!
折角謝罪しようとしたのにこんな扱いなんて!
しかもレアの野郎なんて俺の事を二度も拘束したまま置いていきやがった!
許さねぇ!
もう一度、今度はアイツら以外を魅了してやる!
そして今度こそ成り上がって…
いや無理!妄想でも気を紛らわせない!
痛い痛い痛い痛い!
わざわざ攻撃力の高い拘束魔術である【ラヴァバインド】を打ってくるとか何考えてんだ!
何がクズだ!アイツの方がクズだろうが!
クッソ!謝罪はするけど今度はちょっと強気に行くか…?
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