第3話 悪役の苦労
撮影場所に到着した私は颯爽と着替えることにした。かれこれ20年以上のキャリアがある私は黒いタイツに何の抵抗もない。一見、タイツって大したことないんでしょ?って思ったそこのあなた、大間違いである。春夏秋冬、季節に合わせたタイツがある。春夏のような暖かい気候であればクールビズ用特注タイツ。秋冬では肌身にしみる寒さの季節であれば裏起毛仕様のほかほか特注タイツを着ている。しかも、タイツはあくまで会社のものであるため、撮影場所で着替え、置いていく。
万が一、私物として黒いタイツを持ち込み職務質問を受けた日には本物の「悪役」になってしまう。これだけは避けるため、会社は従業員保護の観点からこのような策を講じている。
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