ウツサズ
•聖職者と吸血鬼の話
――――――――
ジュダは私に会う前に、かならず一人殺す。
夜の教会、祭壇の後ろ、ステンドグラスの前で、他に誰もいないのを確認してから、ジュダを抱きしめると微かに血の匂いがする。
こうなったのは、ぜんぶ私のせいだ。
だから、首元の隠れる服は捨てた。
首元に触れられるとき、その瞬間を期待して震えるのに、施されるのは口付け。
なんでお前と同じ世界に連れてってくれないの。
それを口にしたところで紅い目は制止するだけ。
わずかな逢引の時間を減らすだけ。
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