【番外】いつかの誕生日の話。

※注意※

あんまりコメディしてないぐだぐだ会話です。わりとただの『リア充爆発しろ!』なアレかもしれません。あとソシャゲネタが幅を利かせている気がします。

時間軸としては大学生あたり、何気に同居してる感じです。

番外扱いなので読まなくても何の支障もありませんので、上記の件をご了承の上お読みください


+ + + + + +


「誕生日おめでとう、というわけで、プレゼント」


「わーありがとー。……この薄さ、軽さ、これはまさしく……!」


「図書カードと迷ったけどこっちのギフトカードにした。そろそろ推しのイベが来そうだって言ってたし」


「すごくいろいろ理解されてるなと思えるプレゼントをありがとう」


「即物的過ぎかなーとは思ったけど、そろそろそういう体裁とか気にしなくてもいい仲かなと思った」


「そうだね……だったらこっちからのプレゼントは図書カードがいいかな? 君そこまで課金しないし」


「だな。図書カードならゲーム買うのにも使えるし」


「ああ、特典付き買うときとか、店舗によっては図書カード使えるところあるもんね。でも欲しいのあるなら言ってくれればそれプレゼントにするよ?」


「金額が釣り合わなくなるからそれはいい」


「そこ気にする?」


「気にする。今回額面がきっちり出てるからな」


「でも君『なんか思いついたから』とか言ってちょいちょいプレゼントしてくるし。トントンじゃない?」


「それとこれとは別。あれは俺が勝手にあんたにやりたいと思っただけであって、見返りは求めてない」


「……君、たまにそういうこと言うのやめなよ。だからハーレム主人公脱却できないんだよ」


「……俺もちょっと言ってから誤解を生むなと思ったけどその現実を指摘してほしくはなかった」


「そうやって無意識の言動で周りを攻略してるんだな……って君を見てると思うよ」


「それを言ったらあんたもだろ。俺だけみたいな言い方はやめよう。やめてください」


「いや多分私の方は相手が曲解してくる系だから。俺様強引系が勘違いして『お前、面白いやつだな』とか言ってくるタイプのやつだから」


「どっちにしろ攻略してるなら同じことだと思う」


「私も結果論としては同じだなと思った」


「そんな不毛な話は置いといて。ケーキは夜でいいんだよな?」


「いいよー。手作り楽しみにしてる」


「ハードルを上げるな」


「上げてない。君の料理の腕を信用してるってだけだよ」


「褒められてもこんなものしか出ないけど」


「別に褒めたつもりはないけど何か出てきたことにびっくりだよ。……何これ、『家事当番肩代わり券』?」


「新作ゲームが出た後、イベ期間中、その他一分一秒が惜しい時にどうぞ、的な? あんたなんだかんだ律儀だから代わってとか言い出さないし。ちょっぱやで済ましはするけど」


「だって、君にも予定はあるだろうし、君だって言わないのにこっちばっかり我が儘言うのもアレだし」


「そういう遠慮的なものを無くそうという試みでもある。だから俺の誕生日に同じのください」


「要するに我が儘言いやすくする券?」


「まぁ大体そういう感じ」


「気ぃ遣いだよね、君」


「円滑な同居生活のために努力を惜しまないと言ってくれ」


「ま、いいけど。使い時が来たら容赦なく使うからね?」


「俺も誕生日後に心待ちにしてる新作が出るから使うつもりだし、気にせずじゃんじゃん使ってくれ。……ところで昼はどうする? どっか食べに出てもいいけど」


「何言ってるの? 誕生日に外出とか殺す気なの?」


「いつからこの世界死にゲーになったんだ」


「高校時代ほどではないとはいえ、イベントごとの強制力は変わりないんだから家で大人しくしたいです。イケメン共と接触して心をすり減らしたくない」


「あんたがそう言うならいいけど。何か食べたいものとかあったら俺が買いに行ってもいいし」


「一人にされると何が起こるかわからないので家に居てください」


「必死さが真に迫ってるな」


「そりゃマジに必死ですから。見捨てないよね?」


「たった一人の同胞を見捨てるつもりはないって。……ま、あんたがいいならなんでもいいか」



+ + + + + +


彼としては誕生日まで偽装恋人と朝から晩まで同じ空間で顔つき合わせてるのもどうかなーと思ってさりげなく気を遣ったつもりだったけど伝わらなかったというか、別にそこは彼女に問題にされてなかったというか。


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