第8話 「犯人は君だ」
「田中先生!謎は解けました」
僕は、自信を持って言い放ったのである。
「え??ホントに?!れいくん?」
一同が目をパチクリさせている。
「ヒロくん、さっきからスボンの後ろポケットを気にしているよね?中身を見せて欲しい。理由は、わかったんだ。ごめん」
「ええっ……」
ヒロくんは、渋々、右の後ろポケットから、一枚のヒラヒラした紙切れを出した。
「それは、白猫ヤマトの
宛名住所は、ヒロ君の家が経営するコンビニ店になっている。
「な、なんで?そんなことしたの?博文君、先生に教えて欲しい」
田中先生は、驚きで顔を歪ませている。
「美幸ちゃんが、可哀想だったから」
「え?」
「美幸ちゃんは、桃と、桜餅が昔から食べれないんだよ。看護師のお母さんに聞いたことある」
「桃と桜は、同じバラ科だ。両方アレルギーになるひとがいるよね」
植物図鑑を愛読する僕はつまらない事をやたら知っているのだ。
「博文くん、私のアレルギーを知ってたの?でも、私が食べないだけだから、いいじゃん」
「…美幸ちゃんだけ、食べれ無いオヤツをみんなで嬉しそうに食べるのはヤダ…。だから、無くしたらいいと思って…。何日も前から考えたんだ。オヤツ担当のムロちゃんが、オヤツメニューをメモして、そこの机の横に貼ってるの知ってたから」
「玄関フロアの倉庫かな?そこにダンボールを用意しておいて、ダンボールにトレーの桜餅を詰め込んだんだね。そして、宅配便の人が配達に来た時、ユッキーの目を盗んで、その荷物を受取人払いにして自宅のコンビニに送るようにしたんでしょ」
「そ、そう!なんで、わかったの?」
「白猫ヤマトの宅配便は、毎週金曜にオヤツの宅配を持って来る。知っていたんでしょ?その白猫ヤマトの用紙は、自分のコンビニから持って来たんじゃない?」
「そう。。見ていたみたいだね」
「見てないよ。全ては、パズルの組み合わせなんだ。幼なじみ、アレルギー、誰が出来るか、外に持ち出す方法が思い当たらないんだ」
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