Ⅶ. 幽鬱独唱暗黒皇帝編

【無名】




  僕は†特別†である


  名前はまだ 無い


  だが それでいい




  いづれ 終わりゆく世界


  時間の流れは止められない


  有終は華麗ではない


  ただ もの哀しいだけだ







  だから 僕のうたが必要なんだ


  全ての人間の『心』の闇に


  言の葉が沈んで底を叩く


  運命の果てに 音楽が鳴る




  僕のうたは闇に慣れる


  あらゆる感情の波にも負けず


  絶望とも期待とも同居する


  終わりを耐える気力の礎となる




  そして 希望とまでは成れずとも


  口遊くちずさむ程の『心』の漆喰になる


  日々の隙間を蝕む退屈を埋め


  生活の添え木となる闇のうた





  僕にしか 出来ない


  僕は †特別† なんだ



  いづれ 僕は皇帝になる


  悲しみを唄う 闇の皇帝に


  うたに共感した者たちを従える


  見えざる王国を暗みに築くのだ




  このうたを世界へ届けて


  僕の名前を拡散する


  悲しみを背負う全ての人達に


  僕のうたを聴かせてやる




  †特別† を唄う この僕のうた





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