第6話
恭介の家からの帰り道、いつも通り恭介は最寄駅まで一緒に歩いて送ってくれた。でもなんて声をかけたらいいのか分からなかった。悩んでいると先に恭介の方が沈黙を破った。
「びっくりさせてごめんな。実は俺も今朝言われてさ。びっくりだよなー。とりあえずなつにも挨拶したいとか言うから連れてきたけど、正直俺もまだよく分かってないっつーか、、だからなんか上手く話せなくて、驚かせてごめん。」
なんで、なんで恭介が謝るの。てか恭介も今日知ったって。そんなの、まだ気持ちの整理できてないに決まってるじゃん。
「そんな、恭介。ちがうよ。謝らないで。ちがうよ。恭介、、、無理に笑わなくていんだよ、、」
恭介は、強い。私と2人になっても笑顔をみせてくれてる。でも、全然笑えてないよ。そりゃそうだよ。
「なつ、、、ごめん。どうしよう俺、ほんとはこわくて、、。これから急に一人暮らしとか、母さんいなくなるとか、てか、弟は、、?俺会えないのかよ、、一緒にキャッチボールしたかったのによ、、」
恭介の目からはぽろぽろと涙がこぼれた。私はもう何も言えなくなって、恭介を抱きしめた。2人で泣いた。
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