第3話
「なつおっはよ!今日バイトないよな!放課後マック行こーぜ!」
翌朝、背後から突撃してきた恭介はいつも通りだった。
「おっはよ!今日ね、うんバイトなし!えー恭介のおごり?」
「まーシェイクおごったるわ!」
「わーい!やった!私ヨーグルト味飲みたかったんだよねー!」
、、、大丈夫っぽいな。恭介、顔にでやすいタイプだし。これは、大丈夫だったのかな。良かった。
《キーンコーンカーンコーン》
安心したところでちょうどチャイムが鳴った。私は急いで自分の席へ向かった。
「実はさ、俺、弟できるかもしんない」
放課後、シェイクを飲みながら恭介がぽつりと言った。
「え、えええ?!そうなの?!みゆきさん?!おめでとう!!!」
「いや、まだ安定期じゃないから分かんないんだけどさ!なつにだけ、言っときたくて。」
少し照れた表情で、でも嬉しそうで、恭介は言った。恭介はひとりっ子で、ずっと兄弟がほしいと言っていた。目の前で嬉しそうにしている恭介を見て、私もすごく嬉しくなった。あれ、じゃあ昨日のって、もしかしてみゆきさん妊娠中で体調悪かったのかな。
「みゆきさん、体調とかどう?今日とか早く帰ってあげた方がいいんじゃない?私も出来ることあったらなんでもするし!」
「なつ、ありがと!うん、なんか今は逆に家で一人で寝てる方が楽らしくて。人がいる方が落ち着かないとかなんとか。じゃあなんかあったら電話して、速攻帰る!とは言ってんだけどさ」
「へーそっかあ。確かに逆に人がいたら気つかっちゃうよね、みゆきさん優しいし。でも、私もいつでもなんでもするからね!」
「ありがと!赤ちゃん生まれたらさ、なつにもだっこしてもらいたい!」
「えー!いいの!私も会いたいよー!」
私達は赤ちゃんの話題できゃっきゃと盛り上がっていた。男の子だから名前はかっこいいのがいいねとか、一緒にキャッチボールしたいねとか、未来にわくわくしていた。赤ちゃんが無事に生まれてきますように。今はただそれだけ。未来って楽しみだな。
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