終焉の歌 ~右腕を失って追放されても、修行をして歌姫の元にメイドとして帰ってきます~

穴ポコ

プロローグ

 私達、孤児九人は獣道をひたすら歩いていた。

 私は斬られて肘から先が無くなった右腕の痛みに耐えながら、怪我から溢れる熱に耐えながら、それでも必死に皆と一緒に歩いた。


 私達の大切なモノを壊した、全部奪ったあいつから、逃げるために。


 悲しい。

 苦しい。

 悔しい。

 あいつがしたことを考えただけで、涙が溢れそうになって来る。


 それでも守るために逃げなきゃいけないんだ。

 私は――約束したんだから。


 エミリー先生と約束したんだから。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る